『…う~、帰りたくないですぅ。』
『…俺だって帰したくないよ。』
『でも、明日はお仕事なんだから、ちゃんとお家に帰らないとね。』
…。
もうすぐ終わりを迎える、夢の時間。
彼女は寂しそうに駄々をこねながら、外の世界の服へと着替える。
…。
『…、ご主人様ぁ。』
着替え終わった彼女が、子猫のように抱きついてくる。
切なそうな鳴き声をあげながら…。
『…次のお休みまで、がんばるんだよ。』
優しく頭を撫でながら、そっと、耳元で囁く。
これが最後じゃないんだから、と…。
…。
帰り道の車の中、彼女はずっと俺の手を握っていた。
そして、人目を気にしながら、時折、ご主人様の指を咥え込む。
優しく、ゆっくりと、奉仕する様に…。
…。
彼女は家に着くまで、そんな事をずっと繰り返していた。
俺の手を取り、ブラの隙間へ入れたり、太腿の間に入れたり…。
愛するご主人様の温もりを、その間際まで、少しでも感じていようと…。
…。
…そんな時間も、ここでおしまい。
家の前で停めた車の中、彼女は寂しそうにうつむく。
『…ご主人様、また、遊んで下さいね?』
『…次のお休みに、また迎えに来るから。』
『だから、ちゃんといい子で待ってるんだよ?』
『…うん♪』
弾ける笑顔で、元気よく返事をする彼女。
…そして、ちょっと照れながら
『…あの…、キスしても…いいですか?』
『…ん、いいよ、…おいで。』
…。
…優しく触れあう唇。
さよなら、ではなく、またね、…そんな温かい気持ちの、二人の約束…。
…。
…。
少し開けた窓から入り込む、冷えた秋風を感じながら、俺は家路を辿る。
幸せな時は、あっという間に過ぎ去っていた。
でも、俺はこれから、次の約束へ向けて、歩き出す…
『…、頑張って仕事を終わらせないと、な。』
彼女と逢える日を、平穏に過ごせるように、と…
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