後輩は性奴隷……6‐9
夜。
事が済んで、俺と結衣はベッドに沈み込んでいた。
性交の最中はそうでもなかったのに、こうして何もせずにいると、プレイを始める前と同様に昼間の事が胸を掠めていく。
あれは何だったのだろう。
思考はぐるぐる回るだけで、何も導き出してくれない。
結衣の方へ視線を向けると、バチッと目があった。
「な、なに?」
何故か動揺している俺。
結衣は探るような、見透かすような瞳で俺を見詰め続けている。
だが、しばらくするとその視界から俺が外れた。
「何て言うか……その……」
くちどもって中々話を切り出さない結衣。
「なに?言うてみぃや?」
「あの……気持ちいいですか?」
「……え?」
意味が解らない。
さっきしっかり果てたところなのに。
「私で満足できてますか?」
「………………」
そう言われると、ノーに近い。
しかし直接彼女に言ったわけではないのに……何かしらの言動が結衣にそう思わせているのだろうか。
「その……前の人と同じ様に扱われても、私は従いますから……。って言うか、ご主人様が満足しないと、私の存在意義が有りません」
そこまで言うか。
結衣は長く目蓋を閉じた。
そして目を開け、俺とは反対の方へ視線を流す。
「私は、ただの性奴隷なので……」
結衣は俺と視線を会わさないまま此方を向き、小さく身を屈めた。
今のやり取りにどんな意味があったのか……。
結衣も満足できてないということなのだろうか。
そもそも「前の人」とは誰のことを指しているのだろう。
真里のことなのか?
それとも、前に抱いたことのある人?
もしくは……。
(って言うか、なんでこんな真剣に考えてんねや?俺……)
自分で自分の事がわからない。
そんな状況にあったことに、俺は全く気付いていなかった。
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