後輩は性奴隷……5‐4
「じゃあ……」
左右に揺れる真里の尻を擦りながら次の指示を考える。
が、やはり何かが胸の奥につっかえ、それを躊躇う自分がいた。
「……すまん」
「え……?」
「やっぱ帰るわ」
「あの、え?ちょっ……」
突然のことにしどろもどろする真里を申し訳なさを感じつつ、俺は荷物を纏める。
「んじゃ」
ドアを開け、外に出た。
彼女は何か言っていたが、その声は右から左へ抜けていく。
真里の住む学生マンションを出ると、春霞のかかった夜空が目に入った。
時刻は深夜2時あたり。
少しの肌寒さを感じつつ、最初の居酒屋を目指した。
俺の選択は、男としては失格だが、人としては間違っていないはずだ。
胸のつっかえは、おそらく朱音への想いだろう。
以前の俺なら……朱音と再開する前の俺なら、きっと最後までやっていたに違いない。
でも今は、朱音へ気持ちがある以上、真里に手を出すのは彼女に失礼な気がする。
…………結衣は?
結衣にも同じように思うのだろうか。
昨日結衣を抱いたときは……?
よくわからない。
このわだかまりの正体が。
とにかく、真里を傷つけずにすんだ(のか?)ことはよしとしよう。
見覚えのある道を辿りながら、自分の中でそう結論付けた。
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