後輩は性奴隷……11‐10
しっかりと俺の目を捕らえる結衣の瞳には、強い意思が宿っている。
「私も……一緒に背負います。先輩の痛みを、私にもわけてくださいっ。ちゃんと受け止めます……受け止めますからっ……」
彼女は、身長170センチしかない俺から見ても華奢な体つきをしていた。
年齢を聞かなければ、少女と表現してもいいくらいに可愛らしく、小さい。
その小さな体でこれだけの決心をする結衣に、心が射抜かれる鋭い痛みを確かに感じた。
こんなに広い心は、俺には勿体無い。
今まではそう思って、ずっと目を逸らしてきた。
でもそれじゃダメなんだ。
前に進むため、幸せな未来のために、俺は結衣という人物を必要としている。
この気持ちを、難しいごたくを抜いて、一言で言うとすれば……
「好きだ」
「……え?」
強い眼差しだった瞳が、途端に大きく見開かれる。
「好きなんや、結衣が」
考えるよりも先に、体が結衣を抱き締めていた。
何度も感じたはずの体温なのに、今までとは全然違った温もりが胸の中に染み込んでくる。
「私も」
背中に回される結衣の腕は、しっかりと俺に絡み付く。
「好きです……先輩」
澄みきった空から陽光が降り注ぎ、水面がキラキラと輝いていた。
枝にとまった小鳥の囀ずりは、せせらぎの中へと溶けていく。
そんな5月の中旬に、一生忘れないであろう口づけを、結衣と交わした。
‐完‐
Written by YOU(=ZIN).
※物語は終わりですが、官能小説板なので、恋人となってからの二人の初夜を同スレ内に書きたいと思います。
※元投稿はこちら >>