後輩は性奴隷……10‐7
「ふぅ~……」
結衣から何も聞き出せそうにないことを悟った俺は、換気扇の下で一服することにした。
この行為が、部屋を満たしていた緊張を少し緩和したようだ。
「ね、それ何処で買ったの?」
「えと……」
全てを吐き出した真里は、重い空気をさらに払い除けようと結衣に話しかける。
ライバル心が消えたのかもしれないが、やけに結衣を質問攻めにしている。
それを聞き流しながら、これからどうしようかと考えていた。
煙草を吸い終えた後、彼女たちをどう言って帰そうか……。
「あのさ、最後の記念にヤっちゃってもいい?」
(な……なんてっ?!)
俺と話すときとは全然違ってやたらと饒舌の真里。
所謂ぶりっこって奴なのか?
それとも天然なのか?
その前に……さっきなんて言った?
「わ、私に訊かれてもっ……困ります」
結衣はしどろもどろとして、ちらりと俺を見る。
「そ……そもそも、私をこんなんにしたのは悠さんなんだからっ」
急に俺の存在を思い出したかのように顔を赤くする真里。
「私は、今日を最後にするつもりで……」
確かに、真里の性癖を開花させたのは俺だ。
彼女がそれで踏ん切りをつけられるのならば、叶えてやるのも優しさなのだろうか。
「お前はそれでいいのか?」
俺の問い掛けに、真里はしっかりと頷く。
しかし、まだ少しの躊躇いがあることを彼女の瞳は物語っていた。
「結衣ちゃんも……ね?」
伏し目がちな結衣は、左手で首筋を撫でながらそれに答える。
「私は……先輩の言うことに従います」
性奴隷なので……と付け加える結衣。
そうすることで、自分の意思を噛み殺しているのかもしれない。
彼女は嘘をつくとき首筋を触る癖があることに、俺は薄々感づいていた。
だからこそ、心を抉って突き放すには丁度良い。
でも、それは二の次だ。
それに重点を置いてしまうと、真里の気持ちを利用することになってしまう。
また、最低のラインを越えるようなことはしたくはない。
それだと、あの日以来何も変わっていないことになってしまうから。
「じゃあ、そうしよっか」
あくまでも真里を満たすことが目的だ。
「結衣」
俺は彼女に飼い主としての指示を下す。
結衣は
「はい。ご主人様……」
と返事を返した。
そうすることで、自分は性奴隷であると暗示をかけるように……。
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