後輩は性奴隷……3‐2
家では結衣が炬燵布団を肩までかけ、ちょこんと座っていた。
静かな空間で、携帯をカタカタと打っている。
「お疲れ様です」
俺の帰宅に気付いた彼女はペコリと頭を下げた。
「テレビくらい点けたらえぇのに」
「あ、でも電気代が……」
細けーなぁと思いつつ、俺はリモコンを手に取りテレビの電源を入れる。
静かな空間に、堅苦しいキャスターの声が広がった。
「それは?」
机の上の紙袋について促すと、
「お腹空いてるかな、と思って……」
と言いつつ、結衣は弁当箱のような物を取り出した。
一応廃棄を食べてはいたが、折角なのでいただくことにした。
彼女は普段コンタクトをはめているようで、今は楕円レンズを桃色の縁が囲んだ眼鏡をかけている。
そのレンズ越しに、ニュースをぼんやり見ながら弁当箱をつつく俺を覗き込んできた。
「……ん?」
「あ、いえ、なんでも……」
結衣は茶を濁し、視線を逸らす。
俺は不思議に思いつつも箸を進めた。
しかしあれだ。
こうして炬燵に潜り、肩を並べてテレビを見ていると、何だか付き合っているような間柄に思えてくる。
そもそも、結衣は今の関係をどの様に思っているのだろう。
俺はもちろん、彼女を性奴隷としか見ていない。
都合の良いときに性処理をさせる、言うなればセックスフレンドという表現が一番しっくりくる。
しかし結衣はどうだろう。
って言うか、彼女が性奴隷になること望んで俺に近づいてきたのだから、俺と大して考えは異ならないはずだ。
この華奢な体も、アンバランスな胸も、プックリとした唇はもちろん、二重のぱっちりした瞳までもが、俺からの羞恥・凌辱・調教を求めている。
でも、結衣の澄んだ声色や明るい性格、全体的な雰囲気は……とても……。
いつの間にか空になっていた弁当箱を片手に、暫しの間フリーズしていたようだ。
結衣が不思議そうな眼差しで俺を覗き込んでいるのに気付き、慌てて弁当箱を紙袋に戻す。
「あの……」
「お前は……」
お互いの喋り出しがぶつかり、慌てて口をつぐむ。
「なんですか?」
「……ううん、何でもない」
俺は煙草に手を伸ばし、火を灯す。
その様子を、結衣は首を傾げながら見詰めていた。
※元投稿はこちら >>