後輩は性奴隷……2‐5
「相性が合わないって言うか……」
その言い方からすると、たむっちゃんの方からふったようだ。
肩辺りまである茶髪の髪を揺らし、彼女はパイプ椅子の背もたれに体重を預ける。
「体の??」
「セクハラですよ」
「こえ~」
肩をひそませてみるが、正直、女にどう思われようと俺には関係ない。
俺は包み隠さず自分のキャラを出し、無駄にストレスを溜めたくないのだ。
「でもさ、相性ってのは二人で作ってくもんやないの?」
超良いこと言ったな、俺!
「はあ……」
たむっちゃんは要領を得ないような顔で首を傾げる。
「どうにもならん相性は、アレだけ。何かで読んだけど、夜の相性はうまく行くかどうかの5割を占めてんねんて」
「………………」
無言だが、知ったこっちゃない。
俺はこういう奴だ。
よく覚えとけ。
返す言葉を探しているのか、彼女はまたミルクティーに手を伸ばした。
俺は携帯を取り、結衣からのメールを確認する。
===
トイレで外しました。
胸が擦れて、変な感じになっちゃいます。
===
マジで取ったのかよ。
───
変な感じってなに?
よくわかんないよ?
───
「あの……」
「はい?」
携帯を閉じたタイミングを見て、たむっちゃんが声をかけてくる。
「男ってよくわかりません」
まぁ、俺には女がわからんがな。
「男でまとめんのはどうかと思うけど?」
たむっちゃんは丸い目をパチパチさせて、また首を傾げた。
彼女お得意の仕草だ。
「その人の事がわかる場合もあれば、わからない場合もあるんじゃないの?」
「はあ」
「そもそも自分でない人のことを全部わかろうとするのは不可能やって。自分のことも良くわかんねーのに……」
いつからか自分に言っていた気がする。
俺はそれを誤魔化すように、煙草をくわえた。
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