後輩は性奴隷……4‐4
目が覚めると、日はどっぷりと浸かっていていた。
朱音に気を遣わせるのも悪い気がして、早々に自宅に引き上げたのだった。
夜勤明けだったこともあり眠りに誘われ、今に至る。
暫くボーッとしていたが、インターホンにけしかけられ、渋々身を起こした。
「結衣!?」
ドアを開けたそこには、何処か落ち着かない結衣の姿があった。
「……寝てました?」
「あ、いや……ついさっき起きた」
と言いつつ部屋の中へ招き入れる。
明かりを点け、何時ものように炬燵へと潜り込んだ。
「どこか悪いんですか?」
「え?なんで?」
「今日見掛けなかったので……」
「あぁ、それな」
今日は授業がなく一日ゴロゴロしていたことを伝えた。
何処か強張っていた結衣の表情が解れていくのがわかる。
それを見て、心配してもらっていた嬉しさと同時に申し訳なさが胸を過った。
「……ご飯は食べましたか?」
「いや?」
「あの、スーパーに行って食料を買い込んできたんですっ。何か作りますね」
「へ?あ、ありがと」
確かに、結衣は大量の食材が入ったスーパーの袋を持っていた。
そこから何個か取り出し、あれこれ考えたように首を傾けている。
「あの……残りはどーすんの?」
「もちろん、持って帰りますよ?」
あ、やっぱそーなんだ。
天の施しかと期待したが、そんな甘い話があるわけもない。
今日の分を作ってもらえるだけでも有り難く思うことにした。
キッチンに立つ彼女の後ろ姿を見ながら、不思議な感覚を覚えていた。
それは、先程過った、あの感覚に似ている。
どうして俺はあんなことを……。
それに、今日一日のことに関しても、本当の話しをすることに躊躇いを覚える自分がいた。
そして気付いてしまった。
結衣との関係が崩れるのを恐れていることに。
それは多分、結衣を朱音と上手くいかなかったときの保険的な意味で認識し始めていたからだと思う。
もし朱音との関係が以前のようなものにならなかったとしても、性欲を吐き出す存在は確保できるというどす黒い考えがあったからだろう。
俺はこの時、そういう存在として結衣を捉えていた。
いや、そう捉えようとして自分を誤魔化していたのかもしれない……。
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