「2400秒の奇跡 - 第5章 前編」
ホテルの部屋に戻り、脱いだ浴衣を整える全裸の穂佳の上半身に縄化粧を施し、髪の毛から全身を洗ってもらった褒美として聖水を浴びせる。もう1時間は経っただろうか?
その間、バスタブの中で正面から突き上げ、さらに夜景を見ながら後から突き上げるが、白い液を吹き出すには至っていない。やはりベッドの上でじっくりと時間を掛けて感じさせてやりたいと感じていた。
「穂佳、さきに出てるから髪の毛を洗ったらおいで」
「お待たせしないよう急いで洗います」
「ネットサーフィンでもしてるから、そんなに急がなくていいよ」
大雑把に水気を拭くとバスタオルを腰に巻きバスルームを出る。24℃に設定していたエアコンのお陰で部屋は涼しく心地よい。渇いた喉を潤すために氷の塊を口に放り込みミネラルウォーターを口に含む。
ベッド脇の時計を見るとデジタル表示は2:10AMを示している。テーブルの上に置いたスマートフォンを手に伸ばすとストラップに付いた梟(ふくろう)のマスコットがかたっと音を立てる。ネットから仕事のメールアカウントに繋ぐと今日の訪問先企業の担当者からの礼のメッセージが入っている他は名古屋までの新幹線の車内でチェックした以降、新しいメールも無く、金曜の夜であることを実感した。
メールを閉じこれまでに写した写真を見る。鏡の前で浴衣の帯を整える姿、浴衣の下に着た長襦袢を脱ぎ始める姿、エレベーターの内外で乳房を露にした姿、そして縄化粧を施した姿。
どの写真をプロフィールに貼り付けようかと思案しながら眺めるだけでシャッターを押した瞬間が蘇り、おれの分身も適度な硬度と強度を保ったままでいる。そして、いくつかの候補を絞る間にバスルームのドアが開く。ふと時計を眺めると2:26AMの表示が2:27AMに変わる瞬間だ。
「御主人様、お待たせしてすみませんでした」
「水を口移しで飲ませてくれ、氷と一緒に」
アイスバケットから摘まんだ氷とペットボトルの一口の水を口に含むと、穂佳は全裸のまま大の字姿で横たわるおれに被さるように唇を重ねる。唇や舌の感触を楽しみ合うように口に含んだ水をゆっくり流し込み、最後に少し小さくなった氷の塊を舌の先で受けとる。
その行為の間に胸元に巻き付けたバスタオルを乱暴に剥ぎ取り、左手をおれの分身に導く。シャワーを浴びた直後の手のひらはまだ熱を帯びたように熱く感じる。絡め合う舌を解き放つと、その数秒後には氷の塊により冷えた舌の感触が熱を帯びた分身に絡み付き、やがて十分に冷気を感じる口に分身は包み込まれる。
ベッドに横たわったまま左手を伸ばすとシャワーを浴びたばかりだというのに指先に熱く濃厚な蜜が絡み付く感覚を覚える。ベッドの脇に立ち少し前屈みになっておれの分身を一心不乱に味わう穂佳から溢れる蜜だ。あるいはホテルに戻っても、7人の男たちの熱く刺すような視線でオンになったスイッチは入ったままなのかもしれない。さっきの水を飲ませてもらうという行為で溢れさせてしまったのだろう。
手に持ち続けていたスマートフォンを置くためベッドサイドのテーブルに手を伸ばす。視界に捉えたのは2:35AMになったばかりのデジタル表示だった。
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