心地いい・・・ような浅い眠り。
鼻をくすぐる麝香の香り。
ぼんやりと目を薄っすら開ける。
誰にも気付かせてはいけないと、何故だか思った。
がっかりすべきは、
白亜色の何処のデパートにもある色味だけ。
(・・・何をがっかり・・・コレが普通。帰ってきただけ)
頭の方からゆっくりと何かの影が近づいてきた。
「あーーーははっは~~~コレ?」
虚ろに目を上にやると、
とんでもなくゴージャスな美女が蔑むように私を見下していた。
「やだ!!!臭い!!!コイツ、臭いわ!!」
訳も解らず、ただ彼女の落ちてきそうな乳房を眺めてた。
「なに?コイツ馬鹿?馬鹿なの?ぅあはははぁ」
その言葉と同時に左の尻タブ下を思いっきり蹴られ、
どうやらベンチらしいものに寝そべっていた所を、
地べたに叩き落とされた。
無抵抗だったため、右の頬骨から落ちた。
「あーあ。蹴ったらせっかくの靴が汚れちゃったわ」
ドカ!!
と柔らかなものに座る音がした。
頬骨の痛みと「顔」が傷ついたのではないという思いで、
まだ・・・目がマトモに開けない。
「あーーーはっはっは、まだ目が覚めないの?」
薄っすらと目を開ける。
おそらく自分の胸下まであろう長い足が見える。
ストッキングかと錯覚したがそうではない、
茶褐色のキャンディーのような素足。
「あーーーーっはっはっはぁ」
転げ落ちそうな勢いで笑い続けてる。
時折何語かわからない言葉で誰かと話してる。
「汚れたついでだからいっか~!!
ふふ・・・特別よ」
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頬骨の痛みと、掴めない現状。
そして生暖かい、
スポーツドリンクが
口一杯に広がった。
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