実は、グレッグ氏と逢うきっかけになったのは、とても些細な事。
グレッグ氏がとある地域別掲示板へ恥辱(&代理)調教をすると書き込み、
それを見た私が、度々ページを訪問した。…ただそれだけだった。
私は、自分が人と違う事について、幼い頃から薄々感付いていた。
人に喜んでもらうのは好きだったし、貶されれば悔しかった。
それは一緒だったのだが、他の子が言う内容と、私の言う内容は少し違っていたのだ。
極端に例えるなら
「Aは暴力をふるったので、Bがかわいそう」と言う意見が多数だとしたら、私は
「Bは暴力され痛かったかもしれないが、Aが暴力をふるった理由が、Bにあるのだとしたら、Aだけが非難されかわいそう」
というような具合である。
要するに、最も標的にされやすい子供。そんな自分がM性なのかどうか知りたかった。
グレッグ氏が掲示板に書き込みをして少し後の午後の事。
同氏が初めて私に話しかけてきた。私があんなにオドオドしたのは、恐らく初めてだ。
言葉で迷い、いつもなら一分と掛けずに書けるものが、恐らく十分程度は書けなかった。
私は緊張で胸が張り裂けそうになりながら、慎重に言葉を選ぶ。
(うーん、何て書けばいいんだろ…、これ、間違ってないよね…?)
自問自答を繰り返し、漸く書いた内容は、とてもとても短い文章。
後から読めば「こんな文章に十分も掛けたとは到底思えない」程に幼稚な内容だ。
別に可愛くしたかった訳では無かったし、良く見せたい訳でもない。
それよりも、グレッグ氏に逢ってみたいと思っただけだった。
自己紹介らしきものを簡単にし、後はメールで執り行う。
『掲示板への書き込みに後押しされ、いきなりメールを送る無礼をお許し下さい。
興味を抱き、つい何度もお邪魔してしまいました。
もし宜しければ、お返事を頂けませんか?
折り入って、お話ししたい事がございます…。』
最初のメールはそんな感じで送った。
どう思われたのか、非常に気になったが、そのまま眠ってしまう。
明け方の3時5分にメールが入る。
メールが来る予感がしていたと言う事、
話したい事は何だろうという疑問の声、
メール転送の件。
三つの内容が盛り込まれていて、それでいて簡潔な文に私は驚いた。
すぐにメールを返す。
Mになれるのか、否か知りたかった。だから私は、ちょっと難しく言った。
『さすがですね…。
転送の件了解です。
折り入ってのお話ですが、単刀直入に…。
完Mにしてください。』
完全なMなど何処にもいない。
人間には心にはいくつも脆いものがあるが、強い部分も持ち合わせるもの。
それが自信につながるのだから。
そんなこんなで暫くすると、返事が返ってくる。
手に汗を握りつつメールを開いた。
「礼儀をわきまえていて、おしとやかな女性と言う印象から一転した大胆な言葉」
一行目を見て、汗を握った手から、今度は汗が滴り落ちる。
「。。。。好きだな、そのギャップ。」
…ホッとした。と言うか、素直に嬉しかった。
その後に続く言葉で、私は頬が赤らむのを隠せなかった。
そんなメールのやり取りを何回か交わす。
次の日私は携帯を持って出かけていたが、途中で携帯を無くしてしまった。
たまたまその数時間前、グレッグ氏に逢いたいとメールを入れていたのだが…。
正直、いつ家に帰りついたか解らない。
夢から目覚めると、最後の送信メールから四日程が経っていた。
申し訳ない事をしたと反省し、PCから連絡をする。
グレッグ氏は残念がったが、心配し、また別の日に逢おうと言ってくれた。
そして、この調教を受けた日に初めて逢った、という訳だ。
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