【串○温泉】 田舎の500円程で入れる温泉で、の~んびり疲れを癒す。(俺がこんなに疲れてるんだから、ステージに立った人や裏方って相当ボロボロだろうな。)
って考えたりしながら、アレコレと思い返している。休憩所で寝ころんでると、真由美が上がってきた。
「師匠。前に聞いたことありましたけど、此処のお湯ってホントに凄いですね。(笑)入った途端にお肌ツルツル。って言うか、何ですかあのヌルヌル感。もう、最高です。(嬉)」
「だろ。ただ、駅って言うか市街地からチョッと距離があるのが残念だけどな。」
「いいえ、ここのお湯はわざわざでも来る価値があると思います。」
「そんなに良かった?」
「はい。川中温泉は行った事があって有名ですけど、ここのお湯ってあそこと変わらないぐらいだと思いますよ。」
「ほう。そんな有名な所と変わらないか。」
「えぇ。私、この辺の観光地とかって知りませんけど、温泉だけで紹介するなら此処をお勧めするかもです。(笑)」
って話しながら温泉を出て、道中に野生の馬がいる所を通り灯台へ。
「師匠。野生の馬も驚きましたけど、海も綺麗だし此処からの景色ってイイですね。」って喜んでいる。
時間があまり無かったので、少し走って芋を洗う野生のサルを見ようと幸○へ。「何かアライグマみたい。」って笑ってた。
「師匠。この辺って空港から車で1時間半ぐらいですよね。」
「まぁ、急げばね。」
「交通手段さえ出来れば結構良い温泉旅行とか出来そうなんだけどな。(笑)」
「そうだな。まぁ、明日通るけど、空港までなら鵜戸神宮や日南海岸のサボテン公園(廃業)、モアイ像もあるし、ジャ○アンツが必勝祈願する青島もあるんだけどな。」
「フェリーは大阪からだけなんですか。」
「東京からはチョッと遠いかな。それに車で来ると、どうしても宮崎より鹿児島へ向かうんだよな。」
「鹿児島ですか… 」
「そりゃ、桜島はあるし、薩摩藩の歴史情緒もいっぱいあるし、知覧の特攻隊なんて戦争の事も知れるし、好きな奴は種子島の方へ行くとロケットなんてのもある。何と言っても結構な街で、市内に路面電車が走ってるし、観光地巡りの市バスが走ってる。銭湯は殆どが温泉だし、天文館って夜遊びスポットはあるし。博多ほどじゃ無いけど、色々詰まってる感があるんだよな。」
なんて、地元の人間でも無いのにアレやコレやと話しながらホテルに戻った。
夜は居酒屋で食事。
「師匠。一昨日も思いましたけど此処って、おさかな美味しいですよね。」
「そうだな。小さいけど漁港があるんで新鮮なモノが色々あるし、魚だけじゃなくて肉もあるし、地鶏も美味い。何たって美味い焼酎があるし。それに何と言っても安いんだよな。(笑)」
「ですね。ホントに此処の焼酎って美味しいですよね。(笑)」
ってことで打ち上げと称してまた飲み歩きに出た。(と言ってもスナックを2件だったけど。)
翌朝。レンタカーが空港で乗り捨て出来るってのを借りて出発。
今回は持って来た荷物や洗濯物が多かったので、それらを先に送ってしまい、途中の寄り道や空港で土産を買って帰る事にした。
道の駅で酒盗が売っていて安いのに驚いたり、日南海岸のモアイ像で写真を撮ったりして鬼の洗濯板の青島で昼食にチキン南蛮と冷や汁。土産物の店がいくつかあるので買い物をして空港へ向かった。
空港でも少しお土産をと歩いてると、俺達も持っていたのだがLIVEグッズで売っていたビニールバックを同じように持ってるグループが数組。お互い顔も名前も知らないのに同じ感動を共有した仲間ってことで手を振りあって
「お疲れ様でした。(笑)」
「気を付けて。(笑)」などと自然に声をかけあって労をねぎらったりしてた。
「師匠。1日経って、宮崎空港なのにLIVE帰りの人って結構いますね。(驚)」
「ま、俺達もそうなんだから、当然居るだろうな。(笑)」
「どれぐらいの人が鹿児島以外から集まってたんでしょうね?」
「さぁね。でも考えてみたたら国民一億二千万人の十分の一で千二百万人。百分の一で百二十万人。千分の一で十二万人なんだからさ。7万数千人が一昨日の夜、1人の為に桜○に集まってたのって凄いと思わない?」
「いや、ホントに凄いです。私も行きたいって社長に無理言って来ましたけど、来て良かったです。」
「これは無理を言ってでもやって来たご褒美だ。」と、グッズで売っていた小さなプレートの付いた溶岩を手渡す。
「えっ!イイんですか?」
「限定品だって言ってたし、2つ買っといたんだ。(笑)」
真由美がそれを見ながら言う。
「宝物が1つ増えました。(笑)」
「安い宝物だな。(笑)」
「いいえ。値段なんて関係ないんです。ただの溶岩じゃ無くてプレートが付いてるし、あの空間に居たって意味での宝物です。」
って喜んでくれていた。
飛行機の中で真由美が聞いてくる。
「師匠。あそこの会場って、後はどうなるんでしょうね?」
「さぁ?せっかく整地したんだから何かするのかも知れないけど、結構な斜面だったしな。場所があるからって、ステージ作って人を呼んで、同じ規模のLIVEが出来るアーティストなんて居ないだろうしなぁ… 」
「何か勿体ないですよね。」
「まぁ、元々国定公園だから公共の場だし、お役人がどうするかってだけだろうな。(笑)」(後に記念の像が設置されたが、大部分は手つかずのまま放置されていた。)
真由美は鹿児島での体験から自分にも何か出来る事は無いかと考え、会社が軌道に乗って来たところで辞めて地元に帰り、コミュニティFMを立ち上げた。
最初は色々なスポンサー集めに奔走したり大変だったようだが、そんな中で当時流行り出したB-1グルメの催しをしたり、ご当地アイドルを発掘して地域の知名度を上げていった。
自身は33歳で結婚して子供も2人授かり、ラジオでは行政の人も含めた子育て主婦との座談会をしたりとバラエティだけで無く、社会的要素も取り入れホントのコミュニティとしての役割を作り上げて、地域に根付いたラジオ局を作り上げ今では社長さんとして忙しくしている。(退社してから体の関係は無しにしたが、師弟関係は今も続いてる。)
思い出すよ。最後の夜は激しかった。
ホテルに入り、エレベーターに乗った時点で激しくkissを求めて来て、部屋のドアを閉めるなり
「もう、ココでして欲しいの。」って、しゃがみ込んで自らファスナーを下げてシャブリついて来て、愛おしそうに舐めてくれる。
入れたかったけど、そこは我慢でベッドに移動して、シャワーする時間も惜しむかの様にお互いをシックスナインで愛し合った。
真由美を指と舌で何度もイかせてトロトロにさせ、生ハメした時には
「師匠~、師匠~、大好きなの。ホントは離れたくないの。」って言いながらも
「アンアン♡」と悶え、最後は
「中に欲しい。」って、おねだりしたもんだから、それに応えてしまったよ。
お風呂に入っても抱き合って、ず~っとお喋りしてしまい体がふやける程だった。
朝が来ないのを願いながら何度も重なり続け、大人な関係だから仕方ないけど、お互いに好きなまま別れるのを名残惜しんだな。
加奈?加奈は相変わらず「F」のママなんだけど60歳で人に任せて身を引くつもりのようだ。
ただその後の生活の為にと煙草の金を基に、とある鄙びた温泉街に普通よりチョッとお高いコンパニオン(俗に言うP系)を派遣する会社を作り、口コミでオジサン達が沢山来るようになって、今ではその温泉街はV字回復をしている。(人に任せて自分は悠々自適なんて、チャッカリしてるよな。)
兄ちゃんは本社へ戻って来たかと思うと今度はグループの本体へ行き、今では常務取締役だ。
俺?俺は藤田さんに頼まれて少ない助成金でイベントを考える事になり、ロケーションやアクセスの面で場所を決め、親戚のオジサンのトラックを借りてステージを作り、アマチュアだけどそこそこの実力のあるバンドやソロ活動してる奴らに出演させてフェスみたいなのを開催した。
模擬店と称した屋台、花火大会が無かったので寄付を募り15分程ではあったが終演に花火を打ち上げた。
5年程続いたんだけど、何故か助成金が出なくなりイベントが出来なくなった。
その翌年からだったな、県内出身の某有名アーティストが中心となり、同じ場所で大規模なフェスが始まった。
俺がやってたイベントではせいぜい3000人程だったが、今も続いてるそのフェスでは数万人が集まる。
内容はライブに屋台に花火と同じだけど、プロの有名ミュージシャンやアイドルが出演するし、俺がやってたのは無料だったけど、フェスの方はそこそこのチケット代を取ってるし、(本格的なステージや音、照明、その他諸々と比較するのが間違いなのだが… )
落ちる金額もデカいし規模が大きくメディアにも取り上げられ全国的にも知られるようになった。
言ってみたら野外イベントとして俺で試してみたらそこそこだったので、うま味のある大きなフェスの方へシフトした感じだ。
知ってる奴らは「パクられたな。」って笑ってるけど、俺にしてみれば赤字さえ出なかったものの、準備や後片付け、人員の確保に寄付のお願い等々と人を使ってやっていたのだが、それでも指示とか確認とか面倒だったので、やらずにすむようになって楽になったので助かっただけだ。(笑)
まぁ、そんな事があったけど俺は今も平社員。
裏稼業だった煙草は電子タバコってのになってしまい、パチンコが等価交換になった為に廃業した。
ただ、集めてた資金の一部をFXってやつで増やす事が出来、思ってた5倍以上のお金が残ったのでFXもやめて普通に遊ばせては貰えてる。
LCCってのが出来たり、ネットのお陰でその他の交通手段やホテルなんかも安くなって色々と出掛けやすくなったし、今では土産なんて買わなくてもお取り寄せが出来る時代だから楽なもんだ。
地域の為に他人の為にと考えてる人達が社長なんかになって、自分の事しか考えてない俺が平社員のまま。(笑)
まぁ、当たり前って言えば当たり前な事なんだろうけど、そんな皆には未だに言われるんだな。「やっぱり一番は自由だね。」って…
ところでさ、もう13年程前になるんだけど当時子供が留学していて、ラジオで仕送りなんかの手数料が掛からないって紹介してたのでBITコインってのをやってみようかと3万円程を試しに用意したんだけど、受け取る側の子供がイマイチ解らないって事で手付かずのままなんだ。
当時は1BITが1円だったけど、アレって今はどれ位なの?
暗号資産とか何とかって、意味も解らずに手にした物だから放ったらかしのままなんだよね。
何か億だの何だのって出てるけど、本当なのかね?
3万円が13年で何億円って怪しいよね。もし今、換金をしたとしたら俺は億万長者になれるの?
そんな美味い話があったら皆やってるよね。俺の周りでそんな話を聞いた事無いもん。
何か怪しいもんだけど、定年した時に記念で換金してみて、本当に億万長者になれたら定年延長せずにまたバイクに乗って旅人にでもなろうっかな。(笑)
おしまい
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