「疲れてないか?」と、弁当を摘まみながら聞く。
「えぇ、お酒が入ってないから大丈夫です。(笑)」
「まぁ、酒は着いてからだな。(笑)」
「えっ!出るんですか?」
「せっかくだから、チョッとぐらいな。」 今回、名古屋へ移動する目的は、Jリーグだ。
中高とサッカーをやってた俺は、たまに観戦に行くのだが、今回はJリーグが始まった時から活躍している同世代の選手の引退で、最後はやっぱり生で観たいなと思い移動は翌日でも良かったのだけど、真由美がJリーグを観戦した事が無いので観たいってのと、名古屋は行った事が無いってので付いて来ることになり、それなら試合は午後からなので午前中は名古屋城でも見てから行こうって事で、せっかくなら栄にでも飲みに出るかと思って急ぎで移動して来た。
「真由美は名古屋って初めてか?」
「そうですね。愛知は蒲郡の温泉に家族で来たぐらいですね。」
「まぁ、俺だってLIVEと仕事で来たぐらいだから、あまり知らないんだけど、時間も無いし名物のモーニングと城ぐらいなら連れて行けるだろ。(笑)」
「そんな、無理して貰わなくても… 」
「無理はしてないよ。(笑) 飲みに出るのは俺の楽しみだし、試合は昼からだから時間あるし行こうってだけだよ。」
って話してると名古屋駅に到着。
ナナちゃん人形を通って、真由美が「師匠。撮って下さい。」
と、カメラを俺に渡しナナちゃんの真下で見上げてるポーズをする。(笑)
駅に近いホテルを予約しておいたので、チェックインしてから栄へ出掛ける。
居酒屋に入って、先ずは飲み物と手羽先と丼では無く一品の味噌カツを注文。
乾杯してから「真由美。手羽先の食い方って知ってるか?」
「いえ、知らないです。」
「こうやって、一口で咥えてな… 」と、教えてみせると
「へぇ~、綺麗に身離れするんですね。」と、マネして楽しんでいる。
「味噌カツも美味しい。(喜)」
「真由美は名古屋って、何かイメージある?」
「そうですね、やっぱり名古屋城と、ういろう かな。」
「ういろう か。(笑)」
「師匠は?」
「俺は、飛行機の事故かな。」
「そう言えば墜落事故がありましたね。」
「御巣鷹山も衝撃だったけど、あれもビックリしたな。」
「飛行機って、鉄の塊りが飛んでいて、墜落事故のイメージがあって乗るの怖いって人が結構いますもんね。」
「まぁ、1回事故を起こすと大きいからな。 だけど、考えてみたら車の方が事故率は高いし、交通事故で死んでる人の数の方が遥かに上なんだけど、車は平気で乗るんだよな。(笑)」
「まぁ、墜落はしないですからね。」 などと、今日は対比の話しが多いような気がする。(笑)
「さぁ、どうする。飲みに行く?」
「師匠。今日はもう遅いですし、帰って寝ません?」
「そうだな。明日もあるし、寝るか。(笑)」って事でホテルに戻り、少し部屋飲みして眠った。
朝。昨日はあまり遅くまでは飲まなかったので、早めに起きてチェックアウトまでに名駅近くの喫茶店でモーニング。
「師匠。何ですかこのボリューム。(驚) 朝から凄いですね。(笑)」
「なぁ。(笑) モーニングサービスだけど、珈琲代にチョッと追加払うだけなんだから、サービスの範疇を超えてるよな。」
「京都の時とは違ってボリュームですね。(笑)」
「まぁ、ここは駅前だからこんなもんだけど、前に仕事で行った所はもっと凄かったぞ。(笑)」
と、朝からお腹いっぱいにしてホテルへ戻り、要らない荷物は纏めて駅でコインロッカーに預けてから出掛けようってことで、準備してチェックアウト。
地下鉄で名古屋城まで移動して城を見学した。
金の鯱のレプリカを見たり、天気が良いのでお堀を歩いたり、城自体が広いので時間も直ぐ過ぎてしまい、また名駅へ戻りお昼は鰻にしようと、ひつまぶしの店へ…
「名古屋って、鰻ってイメージもありますよね。」
「何でなんだろうな。名古屋じゃ無くて一色って所が養殖で有名なんだけど、そこと関係あるのかね?」
「師匠も知らないんだ。」
「だって美味けりゃ良いし、鰻にそんなに興味ねぇもん。(笑)」
「私も親が食べさせてくれてたから、土用の丑の日なんて意味も解ってなかったけど、夜のお菓子のう〇ぎパイってイメージぐらいなもんです。(笑)」
「夜のお菓子ねぇ。(笑)」なんて笑いながら食事も済ませ、いよいよ目的の瑞穂のスタジアムへ。
よく解ってはないけど、TOY○TAが母体のチームなんで豊田市が本拠地になりそうなもんだけれど、愛知はやっぱり名古屋が大きな名前なので、チーム名に名古屋を入れる為に本拠地は瑞穂になったんだとか…
Jリーグになってからはスタジアムも整備されて客席なんかも良くなったもんだ。
Jリーグになる前なんかはホントに地域にある競技場レベルで椅子なんて無い所に座って観戦してたな。
まぁ、日本代表の試合や高校サッカーの決勝を観るのに国立は行った事あるけど、あそこだけは別格って感じだったもんな。
それが今では日本のアチコチに万人規模のサッカー専用スタジアムが出来てるんだし、ワールドカップを招致したんだから凄い。(何で、お隣さんとその向こうの大きな国はコチラが何かすると直ぐ対抗したり横ヤリ入れたりするんだろう?コチラが最初とか1番になるのがそんなに気にくわないのかな?自分達では出来なかった事をやろうとすると邪魔ばっかりして来るもんな。コチラがそんな事したらムキになって怒ってくるくせに… )
なんて思いながらスタジアム前に到着した。
「凄いですね。LIVEとは違って、家族連れや子供達も多い。」
「そりゃ、スポーツ観戦だしな。(笑)」
「それにしても多いですね。やっぱり週に1試合だと集まるんですかね?」
「今日は特に○○の引退する試合だからな。ま、ホームで引退試合みたいなセレモニー的なのは別でやるだろうけど、リーグ戦でのプレーはこれで最後だから皆来てるんだと思うよ。」
そう言ってメインスタンドの少し上の方の席に座る。
「前の方もまだあるのに此処でイイんですか?」
「あぁ、前の方は確かに近くって迫力も感じるんだけど、俺は全体のプレーが観れるこの辺りが好きなんだよな。」
「全体… 」
「そう。前の方だとボールの流れに集中しがちだけど、この辺だとそれを見ていながらパスを貰う選手のポジショニングだったり、マークに誰が行ったとかも見てられるし… 何といっても帰りの出口に近い。(笑)」
「あっ!なる程。確かにこの人数だと帰りが大変ですもんね。(笑) でも、そうか。この広いグランドで全体を観ようってなるとこの辺になるのか。」 って言ってるとアップが始まり
「師匠。○○だ。○○が居る。」
「そりゃ、そうだよ。相手チームなんだから居るよ。(笑)」
なんて当たり前の事を話したりなんかしてると、いよいよ試合が始まった。
真由美は初めてのサッカー観戦だろうけど、○○が居るんでそっちのチームを応援してる感じだ。(笑)
「師匠。私、サッカーの試合なんてテレビのスポーツニュースでチョコっと観たことしか無かったですけど、師匠がいつも言ってる体感して知るって事が大事なのが、何となく解って来ました。」
「何で?」
「テレビは客席の事なんんて映さないけど、子供や家族連れが多いとか、旗を持った応援団が相手のゴールの所に陣取ってるとか、此処に来ないと解らない事が色々ありますもん。」
「そうだな。色々と経験してみて、そこではどんな事があって、それにはどんな物が必要だとか、どんな風にすれば便利良くなるとか考えられてるってのを知るってのは大事なんだと思うな。(笑)」
「師匠は色んな事を知って、それをどんな風に組み合わせれば良くなるかってのを考えてるんですね。」
「そうだな、言ってみればこのサッカーの試合と同じように、どんなパスを出して相手ゴールを奪うのか、その為には何処に走れば良いのか、またそれを騙す為に無駄って訳じゃ無いけど、囮になる動きをするってのも必要だし、組み合わせを色々考える為の引き出しって多い方が得だとは思うけどね。(笑)」
「まぁ、全部を見てる監督みたいなもんだ。(笑)」
「そんなイイもんじゃねぇよ。(笑)」
「でも、リスクを避ける為の事もチャンと考えてるし… 」って観てるうちに試合が終わった。
「なぁ、真由美。」
「はい。」
「野球ってのは何人でやる?」
「えっ!9人ですから、18人ですよね。」
「サッカーは?」
「11人ですから22人です。」
「でもな。野球って、主審と塁審の4人でジャッジしてるだろ。」
「はい。」
「サッカーは主審と線審の3人でやってるんだぜ。凄いと思わない?」
「確かに。」
「しかも、ずっと走り回ってなければイケないし、選手に負けないだけの走力や体力が必要になる。」
「そうですね。野球の審判って、そんなに走ったりなんて無いですもんね。」
「とにかく、キーパー以外の人間はずっと走り回ってるんだ。」
「ホント、考えたら凄いですね。」
「俺はこのサッカーの審判ってのは凄いんだぞって、もっと取り上げられないかなって思うんだよな。」
「考えると審判って色々ですね。柔道なんかだと副審は椅子に座ってるし、椅子って言えばテニスなんかは主審が座ってるし… 」
「相撲なんか、審判って言わずに行司だし、副審は物言いって言うんだもんな。(笑)」
「物言いって、何か文句つけてる人みたいで嫌ですね。(笑)」って喋ってたら名駅に到着。
「師匠。何でこのビルだけビルヂングなんですかね?」って言いながら、面白がって写真をパチリ。
今日は晩飯を食って帰ろうってことで焼肉屋さんへ向かう。
名古屋って、意外に焼肉も良い店があるんだよなぁ。
何故か知らないけどサッポロビール園があるし、飛騨牛なんかが入りやすいのかな?なんて考えたりしながら、野球選手なんかも立ち寄るって言う店へ…
「師匠。珍しくラーメン行きませんね。」
「そうだな。名古屋は300円程で食える寿〇きやスーちゃんぐらいは知ってるけど、ラーメンってイメージがあまり無いな。」
「スーちゃん。(笑)」
「うん。本格的なラーメン屋と違ってショッピングセンターのフードコートなんかにある店だよ。」
「へぇ~、そんなのがあるんだ。」
「名古屋は麺で言うとやっぱり【きしめん】なんだろうけど、きしめん食うんだったら、うどんになるんだよな。(笑)」
「きしめんは苦手ですか?」
「苦手とかじゃ無しに好みの問題で、食感って言うか喉越しって言うのか解んないけど、うどんを選んじまうんだよな。(笑)」
「師匠は、ラーメン、うどん、蕎麦にパスタとかって麺に色々種類がありますけど、どれが1番好きです?」
「難しいなぁ。香りで言うと蕎麦だし、スープならラーメンだろ。喉越しならうどんが好きだし、まぁ、パスタだとかフォーなんてのもあるけど、麺だけで言うとやっぱり蕎麦かな。」
「ラーメンかと思ってたら、意外に蕎麦ですか。」
「麺本来の味としてはな。(笑) 子供の時に爺ちゃんが蕎麦を打ってくれてな、素人だから麺の細さとかはバラバラなんだけど、そば粉だけで打ってくれたから良い香りがしてな。それから蕎麦が好きになったな。」
「十割そばってやつですね。」って焼肉屋で麺の話しばっかりしてたが、そろそろ時間だと帰ることにした。
※元投稿はこちら >>