1月月末。今日は大阪に来ている。
日帰り出張だったのだが、雪の影響で新幹線が大幅に遅れてしまい、約束の予定を翌日にして貰って急遽1泊する事になった。
今は便利なもので、ディスカウントショップに行けば下着とワイシャツに靴下を買っても3000円もあれば十分なのだから有難い。
って事で、訪問先が梅田だったので泊まりはお得意のカプセルホテル。大阪駅から歩いて行ける 大〇洋にした。(ビジホでもよかったのだが、大浴場やサウナがあるので大〇洋にした。)
夜まで時間が空いたので会社に連絡をしたら、関連会社に社長として出向している先輩の所へ挨拶に行って来いと言われたので、大阪の会社なのに大阪で手土産を買って持って行く事になった。
「おぉ、修二。久しぶりだな。」
「ご無沙汰しています。」
「相変わらず煙草屋さんやってんの?(笑)」
「お陰様で。(笑)」
「今日は新幹線が遅れて大変みたいだな。」
「そうなんですよ。」
「いや、ウチもお客さんと午後から約束してたんだけど、間に合わないって連絡あったから仕方ないよ。」
「まぁ、自然には敵わないですからね。(笑)」
「ところでさ、ヒロが始めた新事業。」
「あぁ、弁当の宅配と買い物代行ですね。」
「ウチが大阪モデルとしてやってみてくれって事で、この春から始めるんだけどさ… 」
「ご苦労様です。」
「他人事みたいに言うな。お前が言い出した仕事なんだろ。」
「僕は口だけですよ。(笑)」
「何か気を付ける事とかあるか。」
「実は年末に出会って喋ってたんですけどね。気付いたのは、出来れば配達する人は女性がイイかなって。」
「ほう?」
「受け取りする人が男性ならイイんでしょうけど、女性だと生活の一部が覗かれるのって嫌だろうなって話してたんですよ。」
「そうか、そうだな。お年寄りはアレだけど、在宅ワーカーの女性とかだと男が配達に来たら嫌がるかもな。」
「スッピンなんて見られたくないでしょうしね。」
「そりゃ、そうだ。」
「まぁ、これには伏線があってですね。」
「伏線?」
「これはまだ東京で色々と試してみないとダメなんですけど、もしかすると夜の商売してる人にも使って貰えるかも知れないって話してたんですよ。」
「ほう、夜ねぇ。」
「夜中に帰って、昼前とかに起きた時に弁当が届いたら便利だろうし、買い物代行も時間が空いた分、美容室だ何だと利用出来るんで、時間をウリにした感じで試してみたらは?って話してたんです。」
「なる程ね。」
「まぁ、エリアとかの問題もあるんで、これはまだ先の話しなんですけどね。(笑)」
「まぁ、何にせよ出来れば配達は女性って事だな。」
「そうですね。」って、兄ちゃんの事業が大阪でもスタートする話しをして、時間もあるので失礼させて貰った。
もう大阪も何度も来てるので、今日は福島の沖縄料理の店で食事と晩酌をして、風呂とサウナそしてマッサージでリフレッシュして眠りについた。
翌日。朝礼が終わって少しした時間を見計らって訪問先へ出向く。
先輩の所への手土産は用意してなかったので急遽準備したが、こちらは元から用意して来た物を持って行く。
「これ、つまらないものですが… 」(つまらん物やったら持って帰って!って言う返しが来るかと思ったが、それは無かった。)
ここの会社は荷物を運ぶ為の折り畳みのケースなんかを製造販売してる会社である。
新たに扱う荷物に蓋が必要なので、手早く蓋が出来て、片付けるのにもコンパクトに手早く折り畳める風にアレンジ出来ないかと案は用意してきたのだけど、強度等の問題があるので、色々な素材を見て耐久性や重さなどの相談をさせて貰いに来たのだ。
午前中に形状の細かい部分の相談。午後から素材や耐久性を見て、後日幾つかサンプルを作って貰い送ってもらう話しで纏まった。
夕方、大阪駅に向かいながら(今日は水曜日か、真由美が「F」に入ってる日だな。チョッと寄って帰るか)
なんて考えて、(あっ!アレを食べさせてやろう。)と、駅に続いてる店へ向かった。
大阪と言えば、よく飛行機や新幹線で匂いが漂ってくる【豚まん】が有名だが、今回は匂いが漂わない物にした。
家の分と、店は3つぐらいあれば良いかと、4つ買って新大阪へ向かい、駅弁を買って新幹線に乗り込んだ。
20時過ぎ。ガチャ…
「いらっしゃい。あら、修ちゃん水曜なんて珍しいわね。」と、加奈が迎える。
「今日は出張帰りだよ。(笑)」
「へぇ~、出張。」
「あぁ。昨日、日帰りのはずが雪で新幹線が遅れて今日にズレ込んでしまって、急に泊り。」
「それはご苦労さんね。」って、今日は今のところ客は俺一人のようだ。加奈に由美、咲ちゃんに亜美ちゃんにチーフ。
(ホントは今までに紹介した事が無いが、梓ちゃんに夕子ちゃん(2人合わせると、何処かに居た演歌歌手のようだ。)ってのが居るのだが、今日は休みみたいだ。)皆がカウンターに並ぶ。(笑)
「何か今日は威圧感が凄いなぁ。(笑)」
「だって、お店開いたばかりですし仕方ないですよ。」と、亜美ちゃんが笑う。
「に、しても全員が並ぶと何か嫌だぞ。(笑)」
「じゃぁ、ママ。お客さんが来るまで師匠の横に座っててもイイですか?」と、由美が聞く。
「そうね。でも、由美ちゃんはいつも修ちゃんの横にいるから、今日は滅多に見れない亜美ちゃんで。(笑)」
「えぇ~っ、私でイイんですか?(笑)」
「何でだよ。俺の横じゃ御不満?」
「だって、由美ちゃんの指定席なのに~ (笑)」
「じゃぁ、今日は特等席って事で。(笑)」
「何でアンタの横が特等席なのよ。補助席の間違いじゃない?」
「ひでぇ事を言うよな。(笑)」って事で、亜美ちゃんが隣に座りに来た。
まぁ、取敢えず1杯って事で、加奈と由美と咲ちゃんは俺のボトル、チーフは車に乗るんでソフトドリンク。
亜美ちゃんは今までに飲んだことが無いって言うので、由美の梅酒を飲む事になった。
「で、出張って何処まで行ってたんですか?」と、亜美ちゃんが聞いてくる。
「あぁ、今日は大阪に行ってたんだ。」
「へぇ~、大阪。泊まりだったんでしょ?」
「雪で新幹線が遅れて、急遽泊りになったんだよ。着替えも用意してないから、ディスカウントショップで買い揃えて大変だったんだよ。」って、笑ってると皆のグラスが用意されて 乾杯。
亜美ちゃんが驚く。「えっ、これ美味しい!(嬉) 由美ちゃんが作ったの?」
「そうなんです。(笑) ウチは昔から家で梅酒を作ってるんですけど、バーボンで作るんです。」
「へぇ~、バーボンで作ったらこんな味になるんだ。美味しい。(笑)」
「ありがとうございます。」
「あっ!そうだ。コレコレ。」と、大阪で買ってきた土産を取り出す。
箱が3つ。「何々?」と皆が見る。
「チーズケーキだよ。」
「へぇ~、チーズケーキ」
「チーフ、えぇ~っと、今6人いるから半分ずつ… あっ、温かいのも冷たいのも食べてみたいんだったら、4分の1ずつ切って半分温めてくれる。多分、1分ぐらいでイイと思うんだけど。」
「解りました。(笑)」と、用意をしてくれる。
加奈が聞く「お土産にチーズケーキなんてあるの?」
「あぁ、り〇ろーおじさんのチーズケーキって言って、スフレのふわふわチーズケーキが焼きたてで売ってるんだ。」
「へぇ~、焼きたて。」
「ま、持って帰って来るから焼きたてじゃ無くなるんだけどな。温めると、また焼きたてみたいに美味しくなるんだよ。(笑)」
と、用意が出来たようで皿にケーキの4分の1を2つずつ乗せて並べる。
咲ちゃんが、「こんな大きなの食べられませんよ。」って言う。
「大丈夫だって。ペロっと食べて、足りないって言うかも知れないよ。(笑)」
で、皆で「いただきま~す。」って、口に入れた瞬間に「何コレ、美味しい!(喜)」
「ふわふわで、溶けますよ。(驚)」
「温かいのは焼きたてみたいで美味しいし、冷めてる方もコレはコレでまた美味しいし、こんなのがあるんですね。(嬉)」
と、皆が喜んでくれて、咲ちゃんが「前言撤回。ペロっといっちゃいます。(笑)」
「だろ。豚まんも人気あるけど、最近はこっちも人気あるんだぜ。(笑)」
「へぇ~。」
「で、セコイ話しだけどさ、3つ買っても2000円しないんだから安いよな。(笑)」
「嘘っ! 」
「安っ!」って、皆が驚いていた。
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