楽しい時間は早く過ぎるもので、何だかんだと話しながら飲んでると2時になってしまい閉店って事に…
お会計をしてるとママが言ってくれる。
「お兄さん、ボトル残っちゃったけど良かったら持って帰る?(笑)」
「いや、イイよ。飲むか流すかしといて。」
「じゃ、また来てくれるかも知れないから一応置いといて、期間が過ぎたら流させて貰うわね。名前は?」
「じゃぁ、真由美って書いといて。(笑)」
「今日はありがとうね。よかったらまた寄って下さいね。」と、見送られ外へ出ると雪が舞っている。
(こりゃ、明日の飛行機がチョッと心配だな。)と、思いながらホテルへ向かい歩く。
「師匠。チョッと待って下さい。」と、真由美がバッグをゴソゴソしだす。
(何か忘れ物かな?)って思ったら、カメラを取り出し昼間に撮ったウィスキーの看板をパチリ。交番もパチリ。
「やっぱり、夜の方がススキノって感じですね。」と、笑う。
ホテルに戻り、朝は早めに出て二条市場で朝御飯してから空港へ向かう予定なので、2人でベッドに入り眠りについた。
朝9時前。二条市場の店で海鮮丼。朝、起きて外を見たら一面雪だったので、歩いて来れる距離だったけどタクシーでやって来た。
(慣れない人間が足を踏ん張って歩いてると、相当疲れる。)
「北海道に来たら、やっぱり海鮮は食べたいもんな。(笑)」
「朝からウニにイクラにトロに… 蟹の味噌汁。贅沢です。♡」って、真由美が味わっている。単品で牡蠣や海老も楽しんだ。
「師匠。ココで買い物して送ってもイイですか?」
「そうだな。他の物は空港で送るとして、蟹や海産物はそうした方が良いかもな。(笑)」
と、真由美が親にも食べさせたいと、蟹や何やと選んでいる。
お店の人がボタン海老やホタテなんかをオマケで発泡スチロールの箱に入れてくれた上に
「お姉ちゃん、可愛いからもうチョッとオマケ。」って、甘エビとウニを空いたスペースに詰め込んでくれた。
「ありがとうございます。♡」って真由美は喜んでいた。(空港ではこんなオマケしてくれないもんな。)
札幌駅。列車に乗る前に、お土産を見る。狸小路にも土産物専門の店があるのだけど今回は駅と空港で買う事にした。
真由美が空港には置いてないという商品を選んで買い込んでいた。そして空港へ向かう列車に乗り込む。
「真由美。この前は博多からお土産送ってたし、今回は北海道からだと親御さん驚かないか?」
「出張って、嘘ついちゃってます。(笑)」
「で、本当の出張の岡山ではお土産無し?(笑)」
「だって、時間も無かったですし。言い方が悪いかもですけど、送ってまでってモノが無かったと言うか何と言うか… 」
「そうか。まぁ、そりゃ仕方ないよな。」なんて話しながら車窓の銀世界を見ていた。
空港に到着。駅から空港フロアへ上がると月曜の割りに人が多く感じる。
アナウンスを聞いていると、飛行機が飛んではいるものの発着に送れが出ているようだ。
土産を買ったり飛行機に乗る前にお昼を食べようと早めに空港に来たのだが、今日中には帰れそうなものの時間に余裕が出来た。
一度受付カウンターへ行って確認すると、今のところ予定より1時間程遅れてるとの事。
来た時は見れなかったので、滑走路の見える窓の方へ。真由美が一面が白い滑走路と飛行機をカメラに収めようとするので
「寒いけど外に出て撮るか?」と、展望デッキへ向かった。
流石に寒いので、直ぐに中へ戻り土産物を買いに店舗が並ぶフロアへ。
北海道の定番のモノを買ったりして、ジンギスカンや生菓子系は出来るだけ乗る直前にしたいと下見だけして後回しにした。
土産をカバンに詰めるのに何処かに座ろうと椅子を探すのだが、人が多くてなかなか空いていない。
ふと見ると、〇〇〇さんが座っていた。
「〇〇〇さん。」と、声を掛けるとサッとサングラスをして
「おぉ、今から帰るのか。」
「えぇ、チョッと遅れてるみたいですけどね。」
「そうだな。」
「そちらも遅れてるんですか?」
「あぁ、1時間程遅れてるみたいだから、もうチョッとしたら案内あるんじゃないの。(笑) おっ!彼女…えぇ~っと」
「真由美です。♡」
「あっ、そうそう。真由美ちゃんだ。何処か行って来た?」
「小樽へ行って来ました。」
「おっ、じゃぁ寿司食ってきたか?」
「えぇ、頂いてきました。(笑)」
「コイツのボタン海老ばっか食べてちゃダメだよ(笑)」 なんて話してると、〇〇〇さんの乗る飛行機の搭乗案内が入る。
「ヨシ、じゃぁ行くわ。」
「お疲れ様でした。」
「真由美ちゃんも、また来てくれよな。(笑)」
「はい。またお邪魔します。お疲れ様でした。♡」と、見送った。
「師匠。サングラスされてないのに、よく気付きましたね。」
「まぁ、俺は素顔も知ってるからな。(笑)」
「でも、あんなに人が多い所で… 」
「いや、ホント偶然だったな。(笑)」
「打ち上げの時の話しも覚えててくれてたなんて。(嬉)」
「ボタン海老ばっかじゃダメなんだって。(笑)」
「じゃぁ、伊勢海老探さないと。(笑)」って、笑いながら空いた椅子に座らせて貰い、土産をカバンに詰め込む。
「真由美。飛行機乗る前に北海道で最後の飯だ。何がイイ?」
「えっ、何でもイイですよ。」
「海鮮は朝に食ったしな。でも、寿司もあるしジンギスカンやラーメン、ステーキなんかもあるぞ。」
「じゃぁ、朝に海鮮食べたけど。もう一度お寿司食べて帰ってイイですか?」
「そうだな。小樽でチョッと食べただけだったもんな。ヨシ、寿司にしよう。」って事で、寿司屋に入った。
お寿司を摘まみながら話す。
「何で寿司にしたんだ?」
「だって、ジンギスカンやステーキはお肉だけですけど、お寿司は魚に貝にウニやイクラにイカやエビって色々あるじゃないですか。やっぱり最後は色んなモノを食べておきたいかなぁって。(笑)」
「なる程ね。(笑)」
「師匠はお寿司で良かったんですか?」
「俺はもう何回も来てるから、別に何だって構わないんだよ。(笑) まぁ、苫小牧のホッキのカレーとか帯広の豚丼なんかがあれば食ってみたいと思うかもな。」
「ホッキって、貝のホッキですか?」
「あぁ、苫小牧は北寄貝の水揚げが多いんだよ。空港から近いんだけど見掛けないんだよなぁ。」
って、話しをしながら店を出て生菓子の店を覗いたりジンギスカンの肉を買ったり、暫くすると俺達が乗る飛行機の搭乗手続きが始まるアナウンスがあった。
今日は検査も混んでるようだし早めに入っておこうと向かうと、他の便も次々に飛ぶので既に行列が出来ている。
中へ入っても人が多い。搭乗口の番号の方へ向かって何とか椅子を確保して座ることが出来たので良かった。
「こりゃ、ここでも結構待たないとイケないかもな。」
「そうなんですか?」
「真由美。面白いモノが見れるぞ。」
「何ですか?」
「窓の方へ行って滑走路を見てきな。飛行機が渋滞してるから。(笑)」 真由美が見にいって暫くして帰ってくる。
「師匠。ホントに渋滞してました。(笑)」
「ここからは見えないんだけどな、俺達が乗る飛行機も着陸はしてるはずなんだ。」
「そうなんですか?」
「多分、端っこの方でゲートの空き待ちしているはずさ。」
「そうか、飛ぶのも渋滞してるんだから、降りるのも渋滞してますよね。」
「でな、気を付けてないと搭乗口の番号が変更になる事がチョコチョコあるんだ。」
「へぇ~、そうなんですか。」
「で、乗客が降りたら掃除したりサービスの飲み物を積んだり給油したりがあるから、乗る飛行機が目の前にあってもまだ待ってなきゃイケない。」
「そう考えると、飛行機って大変ですね。」
「ヨシ。じゃぁ、まだ時間あるから真由美にお使い頼もうっかな。」
「えぇ~っ、迷子になっても知りませんよ。(笑)」
「大丈夫。その時は迷子のお知らせして貰うから。(笑) ってのは冗談だけど、最後の最後はアイスだな。(笑)」
「アイスですか?」
「そこを右に行くと、〇印パーラーって店があるから俺はバニラにするんで、真由美は好きなモノを買っておいで。」
と、財布を預ける。
「は~い。」と、真由美が買いに行ってくれて戻ってきた。
「師匠。カップで良かったですか?」
「おぉ、ありがとう。真由美は何にしたんだ?」
「私はストロベリーです。」と、お互いのを味見したりなんかする。
「うわぁ、ストロベリーも美味しいんですけど、何かこのバニラって濃厚で美味しいですね。(笑)」
「何でも、天皇陛下に食べて貰う為に作ったらしいからな。(笑)」
「へぇ~、そうなんですか。どうりで美味しい訳だ。(喜)」
結局、2時間程の遅れで搭乗が始まるようだ。
「この時間だと、帰れるのは22時とか23時とかになりそうだな。」
「無事に飛んで帰れるだけで、ありがたいです。(笑)」
「だな。(笑) でも、向こうに着いてから晩飯にしようと思ったけど、時間無さそうだし弁当買って乗ろうか。」
「は~い。」と、売店で弁当を物色。(笑) 肉を食ってなかったので2人でステーキ弁当にした。
空の上で晩御飯。
「師匠。北海道って、何か良いですね。」
「まぁ、今回はLIVE目的だから札幌と小樽だけだったけどな。」
「師匠が行った所だと、何処が良かったですか?」
「そうだな。やっぱり空港が近いってのが条件になるけど釧路や函館は港町で夜遊びも出来るし良かったな。(笑)」
「函館って言うと夜景ですね。(笑)」
「そうそう。ロープウェイで上がって夜景見て。飲みに出かけて、朝は市場でイカだな。(笑)」
「イカ?」
「そう。泳いでるのをその場で捌いて食わせてくれるんだ。(笑)」
「へぇ~、美味しそう。」
「まぁ、それはイイんだけどな。真由美は北海道に来て何か思った事ってあるか?」
「いえ。楽しいばかりで、あまり気付く事とか何かを考えるとか出来て無かったんですけど、やっぱり観光資源って部分が多いんだなってのは思いましたね。師匠は?」
「俺か?俺はそれこそ何度も来てるから何も考えて無いんだけど、今まで何とも思って無かったのに気になる事が1つ出来たな。」
「気になる事?」
「あぁ、そうなんだ。」
「何ですか?」
「真由美と初めてLIVEへ行ったのは何処?」
「東京でしたね。」
「床に行ったのは?」
「京都ですね。」
「この前、出張に行ったのは?」
「岡山ですけど。」
「今、何処の帰り?」
「北海道です。」
「何で?」
「【わっつ】ですか?(笑)」
「いや、違うよ。本当に聞いてるの。」
「何がですか?」
「何で北海道だけ丁寧なんだ?」
「えっ、どういう事ですか?」
「だって、北海道だけ都道府県の道って付けてるじゃん。他の所は東京、京都、岡山って、都も府も県も付けてないだろ。」
「あっ、ホントだ。」
「テレビとかでも芸能人が沖縄出身だとか大阪出身だとか言ってるのに、北海道出身の人だけは北海出身とは言わずに北海道って言うんだよ。ニュースなんかでアナウンサーでもそういう言い方をするんだよ。不思議だよな。」
「ホントに、そんな事って考えたことも無かったです。」
「旅行雑誌とかでも、沖縄旅行とか奈良の旅とかって書いても、北海旅行とか北海の旅なんて書かないし、土産物でも北海名物とは言わないのに、東京名物とか鹿児島名物とか言っても東京都名物とか鹿児島県名物とは言わないだろ。」
「ホントですね。不思議ですね。」
「あぁ、何かモヤモヤする。(笑)」
「何処でそんな事に気付いたんですか?(笑)」
「いや、さっき空港でみやげを見てる時にポップで北海道みやげって書いてあるのを見ててな、そういえば東京都みやげとか大阪府みやげなんて見た事ないなって思ってしまったんだよ。(笑)」
「でも、本当だ。何か北海道だけ扱いが違いますね。何で統一しないんだろ?」って、喋ってると着陸態勢に入り無事に到着。
時間も時間だし、翌日からは通常に仕事なんで、「明日からまた頑張ろうな。」と、足早に帰宅した。
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