7月2週目の週末。今日は京都までやって来た。
邪道フォークシンガーさんのLIVEがあり、7月で祇園祭の山や鉾を見れるってのもあるので来た。今回も真由美と一緒だ。
朝から新幹線で京都に到着。チェックインは夜になるのだがホテルに荷物を預け、お昼にはチョッと早かったが『たか〇し』って、駅から歩いて行ける有名なラーメン屋さんがあるので食べて来た。
京都は修学旅行や友達と来たって言うので、有名な神社やお寺には行かず、先ずは地下鉄で四条まで移動して山や鉾を見物する。
街を歩いてると、コンチキチン… と、祇園囃子が流されていて、祭りの雰囲気を醸し出している。
「師匠。テレビでは見た事ありますけど、実際に見ると大きいですね。」
「そうだな。10トン以上あるらしいからな。」
「これが実際に動いてるのって凄いでしょうね。」
「そうか、真由美は巡行ってのもテレビでしか見た事ないか。」
「はい。」
「巡行の時に角を曲がらないとイケない時があるだろ。」
「えぇ。」
「辻回しって言ってな。竹を割ったのを敷き詰めて、そこに水をかけて滑りをよくして車輪を乗せて回すんだけど、あの大きなのが角度を変える時って豪快だぞ。(笑)」
「見てみたいなぁ。」
「巡行はまだ先だから、今回は残念だけど見れないな。」
「でも、この鉾っていうのを生で見れるだけで十分です。(笑)」
四条通りをぶらっと河原町方面へ歩く。少し上がって錦市場を歩き京極通りに差し掛かった。
「時間はまだあるし、色々見て回るか?」
「えっ、イイんですか?(嬉)」
「ヨシ。じゃぁ、三条まで往復するか。(笑)」
「師匠。」
「ん?」
「手。繋ぎたい。♡」
「あぁ、イイいよ。(笑)」そう言って、京極や新京極の色んな店を覗いて回った。
「明日、帰る前にもう一度寄るから。今は見るだけにしとこうな。」って言ってたけど、暑いので2人で扇子を買った。
そろそろ開場時間って事で、京極から四条通りを渡ってすぐにあるライブハウスへ…
昔、京都でラジオをされていたので、その当時からのファンが集まってくる。
話しでは曜日別で有名な人(例えば島田〇助さんや桂〇珍さん等)が名を連ねる中で聴取率1位だったそうだ。
いつもながら、楽しませて貰い時間がアッという間に過ぎてしまう。出待ちをする人が多い。
「真由美。チョッと遅めだけど晩飯にしよう。」と、祇園の方へ歩く。行先は焼肉屋さん…
「京都の焼肉って、他の所と違うって知ってるか?」
「えっ、知らないですけど、何か違うんですか?」
「まぁ、見てからのお楽しみだな。(笑)」と、〇壇って店に行く。
そこで真由美は、味付けしてある肉を焼いて透き通ったダシのようなタレにつけて、食べる『洗いダレ』ってモノを初めて体験したのだが、その美味しさに舌鼓を打っていた。
店を出て花見小路を歩く。「チョッと飲みに行くか?」 「はい。♡」そう言って、祇園は店を知らないので、木屋町の方へ。
何人か舞子さんや芸子さんを見かけたが、この時期らしく鴨川を渡って床へ呼ばれてる人もいるみたいだ。
通りに面したスナックビルなんかもあるけど、やはり祇園祭の観光客と週末ってのもあり、人が多い。
俺はチョッと細い路地を入った所の2階の店へ。
真由美が、「師匠は何で京都なんかもお店とかよく知ってるんですか?」と、聞いてくる。
「実はな。友達に京都で料理人になった奴がいてな、LIVEなんかで来て時間が合うとたまに飲みに出たりしてるんだよ。」
「へぇ~、料理人さんが居るんだ。」
「あぁ。そいつは京都の調理師学校に入ってな、蕎麦屋でバイトしてたんだ。」
「へぇ~、お蕎麦屋さん。」
「で、その学校で求人があった所へ入ったんだけど、明日はそこへお昼を食べに行くからな。(笑)」
「お蕎麦ですか?」
「いや、違うよ。京料理や懐石とまではいかないけど、和食だな。(笑)」
そんな事を言いながら飲んでると、お店の終わった常連の料理人や店員さんが入ってくる。
「いらっしゃい。お疲れはん。」と、ママが迎える。
「今日は何処もイッパイやなぁ。」
「そうか?ウチは空いたるけどなぁ。(笑)」
「ここが混んだら、ワシらが困るがな。(笑)」
「まぁ、ウチかて ぎょうさん来られても困るけどな。(笑)」と、京訛りの会話が心地良い。
ママさんがこっちへ来て、「お宅はんらは、観光で来はったん?」って、聞いてくる。
「いや、今日はLIVEを観に来たんですよ。」
「へぇ~、京都会館?」 「いえ、藤井〇丸の所の… 」
「あぁ、〇雅〇雅やな。(笑)」
「で、〇壇に行ってから来たんです。」
「あっ、〇壇行ってたんや。ほんで何で、ウチみたいな所を知ってはんの?偶然?」
「いえ、友達が〇〇さんで料理人してて、何度かココに連れて来て貰ったことがあるんですよ。」
「えっ、誰?」
「〇井君。」
「あぁ、そうなん。友達なん?ゴメンやで、何回か来てくれてんのに顔まで覚えてへんわ。(笑)」
「そりゃ、何年も来れてないから当たり前ですよ。(笑)」 なんて話しをしてると時間はどんどん過ぎていってしまう。
明日もあるので、今日は早めに切り上げようと店を出て真由美と少し歩く。
「真由美。」
「はい。」
「今は祇園祭だけど、京都は紅葉も良いし、桜の時期も良いし、LIVEじゃ無しに今度は本当の観光で来るか?」
「えっ、イイんですか?(嬉)」
「やっぱり、京都はゆっくり時間かけて周らないと楽しめないもんな。(笑)」 そう言ってタクシーを捕まえ、ホテルに入った。
朝。イ〇ダ珈琲って所でモーニング。
昔、従兄弟が大学時代 京都に住んでたのだが、その従兄弟が、「京都ならイ〇ダかな。」なんて言ってたのでやって来た。
京都はホントに色んなものが美味しい。真由美も「美味しいですね。」と、楽しんでいる。
あまり時間も無いし、嵐山や大原、宇治なんて所まで足を伸ばせる訳もなく、定番の清水や御所なんかは真由美も行ったことあるだろうし、何処に行こうかなんて考えてても仕方ない。
京都駅のコインロッカーに荷物を放り込んで京都タワーに登って街を見渡し聞いてみる。
「真由美は伏見稲荷は行ったことあるか?」
「あの鳥居がいっぱい並んでる所ですよね。まだ無いんです。」
「じゃぁ、今日はあそこへ行ってからお昼を食べに行こうか。」と、伏見へ向かった。やはり人気スポットだけあって人が多い。
赤い鳥居が並んでるのは確かに見映えして、実際に見たくなるのも納得だ。
「師匠。写真撮ってくれますか?」
「あぁ、イイよ。」と、鳥居をバックに真由美がポーズしている。(笑)
お昼。「師匠。昨日、ここ通りましたね。」と、真由美が先斗町の入り口で言う。
「あぁ、お昼はここにある店だからな。」と、友達が働いている店へ向かう。
店へ入ると女中さんが「いらっしゃいませ。ご予約の方でしょうか?」と、聞いてくる。
「えぇ、〇井君の紹介で… 」と言うと
「あぁ、〇井はんの。どうぞ。」と、案内される。今日は真由美に床を楽しんで貰おうと、頼んでおいたのだ。
「師匠。イイんですか?」
「何が?」
「だって、こんな所で贅沢な… 」
「大丈夫だよ(笑)」って、席に着くと忙しいのに〇井が顔を出してくれて、少し挨拶をする。
「修二。久しぶり、よう来てくれたな。こちらの方は?」
「あぁ、会社の同僚でな。LIVEを観に行きたいって言うんで一緒に来たんだ。」
「へぇ~、そうなんや。まぁ、こんな状態で相手もしてられへんけど、ゆっくりして行って。」と、調理場へ戻る。
先ずは前菜とビールで乾杯。周りを見ると、お昼から床に呼ばれてる舞子さんなんかも居る。
すると、調理台と鍋などが用意され、目の前で何かが始まるようだ。
〇井が出てきて「それでは、鱧の湯引きをさせて貰います。」と、実演するようだ。
鱧を捌いて骨切り、それをお湯につけると白い身に花が咲く。氷水で〆て夏らしくサッパリと梅肉でいただく。
〇井が「おそまつさんでした。」と、調理場へ戻って行く。
お造りに天ぷら鰻の白蒸し等々… デザートは竹羊羹。ここのは予め穴が開けてある。
真由美が初めてのようで「師匠。これどうやって食べるんですか?」と、聞いてくる。
「これか、これは口に咥えて吸い込むんだよ。(笑)」と、嘘を教えると、真由美はホントに竹を咥えようとする。
「嘘々。後ろの穴から息を吹き込んで出すんだよ。(笑)」と、やって見せる。
「もう、恥ずかしい。」なんて笑いながら床での食事を楽しんだ。
さぁ、時間もあるし出ようかとお会計をさせて貰ってると〇井が出て来た。
「修二、ありがとうな。また来る時に連絡くれよ。」
「あぁ、またLIVEなんかで来るから連絡するよ。」
「お姉さんもありがとうね、よかったらまた来てくださいね。」
「ありがとうございました、とっても美味しかったです。ご馳走さまでした。」
と挨拶をして店の前で「おおきに」と、見送られた。
「師匠。鴨川の床って、テレビで紹介されてるのは見た事あったけど、実際に行ってみるとあんな目の前で料理されたりして、贅沢な空間ですね。」
「よく、鴨川の床って言われてるけど、実際は横の高瀬川の上なんだけどな。(笑)」
「何かホント特別感っていうか… 」
「まぁ、実際に涼をとるためなんだろうけど、川を上手いこと利用して空間演出してるよな。」
「川ってことは私有地では無いんですよね?」
「だろうな。」
「だとしたら、あぁいう所を使ってお商売してると、やっぱり税金とか取られるんですかね?」
「税金? さぁ、そこまでは知らないな。って言うか、気にしたことも無かったな。(笑) まぁ、あれなんじゃ無い?昔からやってる事だから夏の風物詩みたいなもんで、暗黙の了解なんじゃないの。」
と、喋りながら昨日も来た新京極へ。京極とを行ったり来たりしながら歩く。
「これ、浴衣の時に合いそう。」と、真由美が透かし柄や金魚なんかの柄の団扇を見たりして、何やら小物なんかを買い物している。
俺は何度も来てるので土産は買わずに、ミリタリーショップでちょうどイイのがあったと、ブーツジッパーだけ買った。
三条まで来ると、河原町へ出てタクシーを捕まえる。
「すみません。はふう さんに寄ってから丸太町の駅まで。」
と、帰りの新幹線で食べようと思い注文しておいたカツサンドを取りに行く。
〇井に紹介して貰って知ったのだけど、和牛のステーキが美味い店だ。
ちょっとお高いんだが、持ち帰りなら極上のビフカツサンドが最高に美味い。
(真由美にはカツサンドとだけ言ってあるので、食べたら多分驚くだろうな。)
丸太町で地下鉄に乗り換えて京都駅へ戻り、新幹線に乗り込む。
「もっと時間があれば良かったな。」
「いいえ、焼肉にラーメンに床にと色々贅沢させて貰いました。」
「今回は食べ物ばっかりだったけど、機会があれば観光で来たいよな。(笑)」
「京都は観る所も沢山ありますしね。(笑)」って話しながらカツサンドを食べさせたら、その美味さに驚いていた。
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