ホテルへ入り、エレベーターに乗り込んだ途端に唇を求め体をまさぐる。(監視カメラなんて無い時代でよかった。)
部屋に入りベッドに腰かけた瞬間から激しく求め合う。真由美も外から気分は高まっているので、自分から咥えたりして積極的だ。
ベッドで重なってるだけでは物足りず、机に足をかけさせ鏡に映った姿を見させて恥ずかしめてみせたり、椅子に座って対面座位。
そのまま立ち上がって駅弁ってやつで入り口近くの姿見で見させた後は、声が漏れるのに、ドアに手をつかせてバックで攻める。
「アァん、こんな所で。」
「誰かが通ってるかも知れないのに恥ずかしいな。」
「あんあん… だって、こんなにされたら。」
おれはそんなシチュエーションや、それでも恥ずかしそうに悶える真由美に興奮してしまいドアの前でしゃがませて口内発射した。
そのままバスルームに入り、シャワーで互いを洗いっこ。そしてベッドに入り、抱き合いながら眠りについた。
朝。少し早くホテルを出てファーストフードの店にコーヒーを買いに寄る。
店内は朝まで働いた夜の蝶たちが朝食を摂りながら屯している。
中には片膝を立てて下着が見えてるのもお構いなしって感じで、談笑してるのも居る。
真由美が様子を見て話しかけてくる。
「師匠。此処って… 」
「そう。歌舞伎町で仕事が終わった子たちの溜まり場さ。」
「凄い雰囲気ですね。」
「な。何か面白い場所だろ。(笑)」って、話しながらコーヒーを持って歌舞伎町を通り抜ける。
「夜は煌びやかだけど、明るくなるとこんな感じなんですね。」
「まぁ、今は店が終わってゴミ回収がまだだから、チョッと汚な過ぎだけどな。(笑)」
と、今朝は朝食を摂らずにコーヒーだけにして、築地へ向かい場外市場でお寿司を食べる事にした。
魚屋の向かいにある寿司屋に入り、盛り合わせのセットを頼む。ここの海老の味噌汁だけで美味い。
真由美が、「美味しいですね。」と、喜んでくれている。(まぁ、九○衛なんかの高級店と比べちゃダメだけど。)
「真由美、見ときなよ。」
「何をです?」
「そこ。」と、向かいの魚屋を指差す。
カラ~ン、カラ~ンと鐘が鳴り、店の前に今朝仕入れたばかりのマグロが用意される。
真由美が「師匠。これって… 」
「そう。これから解体が始まるのさ。」
「へぇ~。」と、段々と解体されていく手捌きに見入っている。
「大将。前の魚、チョッと買って来て食べてもイイ?」
「あぁ、イイよ。」と、許可を貰って、真由美を待たせて買いに行く。
少しして戻って来て「これこれ。丁度解体が始まってラッキーだったよ。」と、大将に見せると
「あぁ、頭肉か。」と、笑う。
真由美が聞いて来る。
「何ですか頭肉って?」
「マグロの頭の肉だよ。少ししか無いから、こういう解体の時ぐらいしか食べさせて貰えないんだよ。ね、大将。」
「まぁ、ウチはいつでも食えるけどな。(笑)」なんて言いながら真由美に食べさせる。
「美味しい。何か柔らかくって、口で溶けるって感じですね。(嬉)」
と、タイミング良くマグロの解体見物と希少部位を味わえたところで、店を出る。市場をアレコレと食べ歩く。
「師匠。此処って、面白いですね。」
「どんな風に?」
「だって、私達がお店で食べるモノが元はこんな感じだったんだとか見れますし。安くで色々食べられるし… 」
「そうだな。普通、市場ってなかなか入れない所だから、この場外市場ってのはイイ経験かもな。」と、築地をあとにした。
築地から少し移動して、銀座に到着。
夜の店も高級だが、ブランドショップやジュエリーの店などといったチョッと良い店が並んでる街だ。
俺なんかには縁遠い所なんだけど、そんなに何十万も何百万もするような物は買ってやれないが、少し早いけどホワイトデーに流行りの青い箱のアクセサリーぐらいなら買ってあげられるかなと、立ち寄った。
「真由美。そんなに良いモノは無理だけど、バレンタインのお返しだから、何か選びな。(笑)」
「えっ、駄目ですよ師匠。東京に連れて来て貰ってるだけで、十分ですから。」
「それはそれ。これはまた別だから。」
「いいえ。駄目です、私なんかに勿体ないです。」 なんて押し問答しながらショーケースを見てみる。
「ふ~ん。真由美、これが、よく言われてるオー○ンハートってやつか?」
「そうですね。」
「ほぉ~。」
「どうしたんですか?」
「そういうと、女の子ってのはハートが好きだよなぁって思ってな。」
「まぁ、可愛いですからね。(笑)」
「子供の頃にさ、女の子がクリップを捻ってハートにして、胸ポケットなんかに付けてたなって思い出してな。(笑)」
「あっ、やってましたね。懐かしい。(笑)」
「お姉さん。このネックレスと、その指輪も頂戴。」
「えっ、師匠。駄目です。」
「もう、注文しちゃったもん。(笑)」
「駄目です。」
「イイからイイから。」
店員さんが、「あの、サイズは?」
「ほら、真由美。サイズだって。Fカップとかって言うなよ。(笑)」って言うと、店員さんが「プッ」と吹き出した。
「ホントにイイんですか?(困)」
「だって、もう注文しちゃったし。ホラ。」と、サイズを伝えるように促す。
真由美は困ったなぁって顔で、サイズを伝えて入るかどうかを確かめてる。
店を出て歩いてると「師匠~。私、困ります。」って言う。
「えっ、迷惑だった?」
「いいえ。嬉しいんですけど、何にもお返し出来ないですし。私には勿体ないです。」
「何で?これはバレンタインのお返しで、チョッと早いホワイトデーだよ。お返しに、お返しなんて聞いた事ないよ。(笑)」
「だって~。」
「だっても何もない。それに勿体ないなんて言わないの。イイね。」
と、今日は早めだが前乗りで夜に兄ちゃんと晩飯でもって事で約束があるので、真由美を東京駅まで送り1人で帰って貰った。
今夜は蒲田の駅前で宿泊なのでチェックインした。
約束した時間まで少しあるので部屋で寛いでると、線路側の部屋なのでしょっちゅう駅から蒲田行進曲が聞こえてくる。
兄ちゃんが迎えに来て、餃子が美味いって店に入りビール片手に食事をした。
「修二。あまり遅くまでは遊べないけど、久々だからチョッと行くか?」
「あぁ、イイね。」と、こちらで兄ちゃんが見付けた店に入る。
「アラ。ヒロさんイラッシャイ。」と片言の日本語で迎えられる。この辺りはフィリピン系の店が多いようだ。
「お兄さんは、ハジメマシテね。」なんて、挨拶される。
「アイリン、この人は出張でやって来た俺のお客様。」って、兄ちゃんが紹介する。
「何がお客様だよ。よく言うよ全く。呼び付けたクセに。(笑)」なんて笑いながら飲んでる。
フィリピン系はBOXで隣に女の子が座り、スキンシップで飲む事が多い。此処もそんな感じの店だ。
「修二。昨日からコッチへ来てたんだろ。何処へ行ってたんだよ。」
「あぁ、昨日は江古田って所でLIVEがあってさ。新宿で遊んでた。(笑)」
「何。歌舞伎町?」
「いいや、その隣のゴールデン街。」
「そっちかぁ。まぁ、お前らしいけどな。(笑)」
「何。俺らしいって、歌舞伎町は似合わない?」
「歌舞伎町が似合わないってよりも、ゴールデン街が似合い過ぎてる。(笑)」
「それ、どういう意味よ?」なんて言いながら、カラオケを歌ったりして時間が経ってしまった。
店を出てホテルまで歩く。「じゃ、明日は頼んだぞ。」と、兄ちゃんが帰って行った。
翌日、兄ちゃんの仕事を見に行く。
これからの時代、お年寄りが増えるのとパソコンの普及でホームワーカーが増えるだろうって事で、ピザや店屋物の出前なんかはあるけど、日替わりのお弁当の宅配ってのを整備しておくのと、買い物の代行ってのが必要になるのではないかと整備をして早めから準備しておこうと事業が始まるのだ。
(まさか、今のようなネット通販とかUber〇atsとか出〇館なんてモノに変化するなんて思ってなかったが。)
俺が見て、進言したのは買い物代行を考えた時に、マンションなんかでも4階までの所は階段だけの所が多いので、お米や水物といった重い荷物を運ぶのに何か対策しといた方がイイんじゃないかって事ぐらいだった。
既にこの地域だけで契約希望者は予想以上にあるようで、都心に発展し全国に広まれば兄ちゃんも所長ではいられなくなるかもな。
※元投稿はこちら >>