◯嫉妬
ある日の逢瀬。不倫相手の夏美とラブホテルで昼酒を煽りながらダラダラと談笑していたところ『印象的だった過去の相手』の話になった。
僕はありきたりに初体験の話をしたが、夏美の話は僕のそれとは毛色が違い、過去に夏美を調教したかなり歳上の男性の話だった。
夏美は大学生の頃に男性と出会い、若い夏美の身体にセックスの快楽を刻み込み、オーガズムを与えた。
具体的にどの様な調教が成されていたか夏美はお茶を濁すものの、夏美にとってそれが一生残る強烈な体験であるのは察する事ができた。
「へえ…そっか…」僕はどこか陰鬱な気分になる。僕の隣に半裸で座る夏美が遠く感じる。
もちろん、知り合った時点で30歳を過ぎて子供まで居る身でお互いに童貞処女ではないのは当たり前であるが、本人の口から改めて聞かされる事に少なくないダメージを負う。
「……」
僕の口数が減った事を夏美は見逃さない。
「あれ?嫉妬してる?」
夏美はニヤニヤしながら僕の顔を覗き込む。
「し…嫉妬なんて…」
目を逸らす僕を夏美は追いかける。
「なーに?嫉妬してくれないの?」
「ああ嫉妬してるさ!面白くない!」
夏美は更に嬉しそうにニヤけると、僕が着ていたバスローブの帯を解いてペニスをカプカプと咥え、硬く勃起するのを確認して僕の上に跨り、自らの膣に僕のペニスを招き入れた。
「嬉しい。私にはあなただけだよ」
そういうと夏美は飲みかけのワインを口移しで僕の口腔に流し込み、肉襞を絡ませる様にゆっくりと腰を動かす。
夏美の内側から体液が溢れて僕の内腿を濡らす。
「ほら、気持ちいいでしょ?こんな事をするのはあなただけよ」
夏美の膣は普段以上にうねうねと良く動き、まるで舌で飴を舐め溶かす様に僕の亀頭に絡み付く。
「あ…ごめん…出そう…」
「まだ。良いって言うまで出しちゃダメよ?」
夏美は嬉しそうにニヤついたまま、ギリギリの所で寸止めをして僕を誂った。
僕は射精を管理されながらふと気付く。
「あれ?夏美って普段は受け身じゃなかったっけ?ああ、夏美はこういうプレイが好きだったんだな」
僕はまんまと嫉妬させられたのだ。
そして更に気付く。
「あれ?いつもよりもちんこがガチガチだ…。こういうプレイが僕自身も好きだったんだな」
「ダメ…出る…」
「逝きたいなら逝きたいってお願いしなさい」
「逝きたいです…」
「どこに何を出したいの?」
「夏美のおまんこに精子を出したいです…」
この日を境に僕たちは攻守を入れ替えたSMにも傾倒していく事になる。その話はまた後日…。
((この項 了))
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