この頃になると2人とも酒がまわりだしてきていて、圭一は顔が真っ赤に、綾香は顔が赤いうえにハイテンションになっていた。
「それで!?どこでやったん!?」
綾香が嬉しそうに聞く。
「・・・俺んち。」
「うわー、いっくん家上げてたん!?ヤル気マンマンやんw」
「いや、毎日毎日外で何時間もおるんはしんどかってんて!仕事終わりで汗臭いから虫も寄ってくるし、腹だって減るやん?かといって女の家に上がるんも・・・親からしたらお前誰やねんって感じやし・・・俺の家やったら安心やからって向こうも言うし・・・」
「あー・・・ヤル気マンマンは向こうかw」
「え、やっぱそうなん?」
「そりゃそうやろー?気のない男、しかも一人暮らしの男の家になんて上がらんって!普通。」
「そっか・・・そんなんが分からんくらい子供やってんな、俺。普通に家上げてたわ・・・」
「まぁまぁ!恋愛経験値ゼロの童貞にはしゃーないて!w」
「・・・あやちゃん、楽しんでない?」
「楽しんでないよー!?wwwめっちゃ相談乗ってる!www」
「うそつけw」
そして店員がラストオーダーを聞きに来た。
圭一はそそくさとグラスに残った酒を飲み干し、会計の準備をする。
「さ、ラストオーダーやしもう帰ろか。」
「え!一番大事なとこ聞いてないんすけど!!」
「続きはまた今度な(笑)」
「えー!!」
ゴネる綾香をスルーして圭一はサッと会計を済ませ外に出る。
渋々着いて出てくる綾香。
「じゃあまた。」
「はいはーい」
と言って別れたはずが、自転車を押しながら後ろをテクテク着いてくる綾香。
「あれ?家こっちやったっけ?」
「え?そだよ?^ ^」
「いや違うやろw俺あやちゃんの家知ってるしw」
「一人暮らししてんw」
「嘘やん!?wまぁえぇわ。」
そう言って雑談しながら圭一の家まで2人で歩く。
最近のお互いの近況などを話しているうちに2階建てのハイツに着いた。
「じゃあ俺、ここやから。」
「ここがいっくんの家かー^ ^」
「・・・上がってく?」
「彼女おんのにアカンやろw」
「別れたで?」
「え!?そうなん!?なんで!?」
「また今度言うわ^ ^」
「ちょ、マジいっくん謎やわwてかそんな簡単に女上げていいんかー?w」
「いやあやちゃんは大丈夫やろ?」
「え、ウチも女なんですけど!?」
「分かってるわwそういう意味じゃなくて、信頼してるってことや。」
「あはは^ ^・・・んー、まぁ今日はやめとくわ、ちょっと諸事情がありまして・・・」
「あ、そうなん?」
「うん、いっくんのお楽しみタイム邪魔しても悪いしw」
綾香はニヤニヤしながら圭一が手に持っているDVDの袋を指差す。
「いやもう寝るわ!w」
「え、そうなん?wまぁ今日は帰りまーす^ ^あ、せや、LI◯E交換しといていい?」
「いいよ。」
その日2人は連絡先だけ交換して別れた。
そして数日後の仕事終わり、圭一が家に帰るとドアの前に綾香がいた。
「来ちゃった^ ^」
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