セキュリティのアラームが鳴った。この部屋に誰かが来ようとすると監視カメラでその人物を映し出すシステムらしい。男が帰って来た。
「おかえり、バスローブ借りちゃった」
「いいよ、適当に使って」
男はテイクアウトのイタリアンをテーブルに広げて食べようと言った。確かに何も食べていないのでお腹が空いていた。
「これ食べたらアパートに必要な物だけ取りに行こう。スーツケースを用意したから。それと仕事の事なんだけど、店長に1本だけ電話して欲しいんだ。本人の意思確認が必要なんだと」
私はスマホの電源を入れて店長に電話すると、もう話は済んでいる感じでお給料だけ取りにくる様に言われた。
男にアパートまで送って貰い、スーツケースに洋服や下着を入れ、練習用のディルドやDVDはゴミ捨て場に捨てた。残りは明日男の部下が綺麗に撤去する段取りなっていた。
「ねぇ~洗濯機は買わない、それと食器も」
男は了解し、家電量販店とホームセンターに立ち寄った。
スーパーで買い物してマンションで私の手料理を作ってあげた。彼は喜んで食べてくれて、そして褒めてくれた。素直に嬉しかった。
2人でお風呂に入ると「なんか新婚さんみたいだね」と笑い、お風呂で硬くなった彼としてやっぱりいかされてしまった。
ベッドで刺し傷の事を聞いてみると彼は若い時喧嘩で刺されたと言って私を抱き締めてくれた。
朝、早く起きるとご飯と味噌汁、サラダ、目玉焼きを用意して彼を起こしたが、朝御飯は食べないらしく味噌汁だけ飲んで仕事に向かいました。
一緒にいると当局がマークする様な人物には見えない。任務を忘れこの生活も悪くないと思ってしまった。
スマホの電源を入れると上司から連絡が入っていて、14時に近くのスーパーに来る様に言われた。私は買い物に行くついでにそのスーパーに行くと魚売り場で上司が接触してきた。TAGをターゲットにセットする事、部屋に盗聴器とカメラをセットする事、それは断った。その代わり彼のスマホのデータを抜き取る事にした。
※元投稿はこちら >>