茶道教室の帰り道、私と典子は近くの和カフェに寄り道した。
『ねぇ恭子、さっき先生と何をヒソヒソ話していたの?』
『あー、やっぱり見てたのね。お抹茶の泡立て方とか…いろいろコツを教わってたのよ』
『ふぅ~ん、泡立て方ねぇ…なんだかイヤラシイわね…』
『もぉ~典子ったら、考え過ぎよ!』
『そうかしら、抜け駆けはダメよ!』
『抜け駆けってなによ?』
『私…先生に調教されたいの…』
典子は恥ずかしそうにうつむいた。
『私もよ…』
『やっぱり…ねぇ恭子、私達って双子だから協力して先生に調教してもらわない?』
『協力?』
『そうよ、例えば…服や髪型、化粧とか何もかも同じにして、更に見分けがつかないようにして…』
『フフフっ、なんだかドキドキするわね。先生を困惑させながら誘惑しちゃうのね!』
恭子も典子も妖しく瞳を輝かせた。
『ところで恭子、旦那さんは相変わらず立たないの?』
『そうね、相変わらずよ…』
『そっか、うちも似たようなものよ。立つのは立つけど信じられないぐらい、早いの…』
『私からすれば、立つだけでも羨ましいわ!』
『双子の主婦さんっ、何の打ち合わせですか?』
突然だれかに声をかけられたので見上げると…
『先生!』双子姉妹は声を揃えた。
『立つとか立たないとか…聞こえましたけど』
『あっ、あれは…お抹茶の泡のことです』
『なるほど…私は、あなたたち双子姉妹の熟した器を泡立ててみたいと思っています』
『えっ…』再び双子姉妹は声を揃えた。
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