美波が「公太君…もっとギュってして」と甘えてきた。俺はそれに応えてあげた。すると「なんか…嬉しい」と呟いた。「嬉しい?」と聞くと美波は「うん…嬉しい…ウチ…パパ居ないから」と言った。「俺…パパなの?」と聞くと「違うけど…パパが居たらこんな感じかなぁって」と言った。「パパじゃなくて彼氏がいいな」と言うと、美波は離れ「嬉しいけど…今は…」と言い俯いた。俺は「そっか…そうだよね」と言った。「公太君…ゴメンね?今は無理…」「だよね…気持ちが落ち着くまで待ってるから」と言うと、また「ゴメンね…」と言った。「でも美波の事大好きだから」と言うと「うん…ありがとう」と言って照れていた。……引き続き美波の家庭教師をした。その時以来お互い意識していて少しギクシャクしていた。嫌われていたら美波は部屋に来ていないだろう。目が合うと互いに逸らすと言う、微妙な距離感が2人の関係を繋いだ。…そして、その微妙な距離感がある日を境になくなった。その日俺は教授の手伝いで遅くなった。
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