桜は周りをキョロキョロ見渡すと、一冊のコミックをカバンに入れた。俺は(万引きっ嘘だろっ!?)と思った。桜は持っていた他の本を戻すと店を出た。手慣れている感じがした。店員は気付いていなかった。俺は「山口さんっ!!」と桜を呼び止めた。桜は振り返ると「アンタ誰?」と言った。「何言ってんの?小川だよ?」と言ったが「はぁ?アンタ何か知らないわよ」と言った。学校で話していた桜とは目つきが違った。「何言ってんだよ?山口さん」と言うと「あたし山口じゃないけど」と言うと立ち去ろうとした。俺は腕を掴み「何言ってんだよっ?」と言うと桜は「離せよっ!?」と言って俺の頬を平手打ちした。俺が怯むと桜は走って逃げた。俺は呆然として立ち尽くし、桜の後ろ姿を見ていた。…次の日「山口さん…ちょっといい?」と呼び出し、人の来ない屋上に通じる階段に行った。桜は昨日とは違っていた。「小川君…何?」と言った。「昨日さ」と有った事を話すと桜は「ゴメンナサイっ…私覚えてないの」と言った。
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