めくるめく官能世界に程遠く
まゆみの離婚調停が成立、離婚届を提出済み。
帰宅するなり、まゆみが抱き付いてきた。ディープキスで応戦。
「まゆさん、ひと段落したね、お疲れさまでした」
「これも一重にあなたがいてくれたおかげです、ありがとうございました」
「さあ、次はいよいよ結婚だ、まゆさんは挙式をどうしたいの」
「婚約後、一緒に暮らせているので、挙式は写真だけでもいいわ」
「おいおい、そんな無茶な」
「ねえ、結婚式をなさりたい」
「形式だけでも整えないと、『なあなあ結婚、そのうち離婚』なんて言われかねない」
「うふふ、あなたってキャッチコピーの才能あるかも」
「なんなら、まゆさんに婚姻届けと離婚届けを前もって一緒に渡しておこうか」
「バカなこといわないで、離婚はもうたくさん、あなたに嫌われても私、一生傍を離れ
ませんから」
「はは」
「じゃあ、ごくごく身内でどうかしら」
「うん、双方の両親と兄弟くらいでいいんじゃないかな、でも、立会人としての媒酌人
は必要だろうね、友人関係は別途ごく内輪のパーティーでも開けば」
「そうね、お父さまに返済しなくてはなりませんし、とにかく安く済ませましょ」
「うん、賛成、で、洋式、神式、仏式、どれにする」
「教会式はもうイヤ、神式がいいわ、仏式は両方の宗旨が同じならいいですけど」
「まいさんの白無垢角隠しとウェディングドレス姿の両方見てみたい」
「お色直しでウェディングドレスにすればいいわ、色物が普通ですけど、構わないじゃ
ないかしら」
「ふうん」
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