めくるめく官能世界に程遠く
「ただいまー」
「おかえりなさい、どうでしたの」
「いやあ、凄いのなんの、あの人達、ただ者じゃないよ」
興奮冷めやらず、事業所内の体験を洗いざらい話して聞かせた。
聞かされるまゆみはちんぷんかんぷん、それでも、りょうの話に相槌を打ちながら、
まゆみは辛抱強く耳を傾けた。
話の内容よりも、普段言葉数が多いほうでないりょう自体に興味津々だった。
まゆみは、りょうが技術屋になるべくしてなる必然をあらためて思い、彼を支え共に生
きる喜びと女の自負さえ感じた。
一方、一通り話し終えたりょうは、嫌な顔一つせずに聞き入り微笑むまゆみに、得も言
われぬ神々しさを覚え、この女性は天から我に与えられた天女ではないのかとさえ思い、
まゆみを妻に迎える重責をひしひしと感じた。
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