シナリオ 官能小説

めくるめく官能世界に程遠く　

「油断も隙もありゃしない」
「うふ、あ、それはそうとね、お母さんがね、急にジムに通いだしたの、おかしいと思
いません？あのルンルン顔は恋に恋した乙女の顔ね、まいとあなたがこうしていられる
のも、お母さんの応援があればこそですからね、どこかのヘンなおじさまに目移りされ
たら、たいへんだわ、あなたもお母さんの機嫌を損なわないように気を付けてね」
「まいさん、お母さんへの気遣いが、先読みのし過ぎで、少しばかりずれてやしない」
「えー、なんで」
「お母さまはね、まいさんやお父さまのことで、毎日大変な思いをなさっておられるん
だよ、もし、お母さまがお倒れにでもなったら、ここの家は一気に崩壊してしまう、世
間体はお父さまが一家の大黒柱だろうけれど、家族・家庭の中心柱はお母さまだよ、お
母さんを思うスタートはそこからだと僕は思うけどね」
「そうね、言い過ぎました、ごめんなさい」
「ふふ、僕に謝られてもなあ、まいさんのお母さんじゃないんだし」
「そっか、そうよね、てへっ」


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