めくるめく官能世界に程遠く
補習(予習)まい専属進路お手伝いさん 9回目
「お母さんが『先生に宜しく』ですって」
「その先生と呼ぶの、やめて欲しいんだよね、短期臨時のバイト学生に先生はないよ」
「そうかしら、お兄さん、今日から短期臨時ではなくなったのよ」
「えっ」
「お父さんがお母さんに言いくるめられて、まいの進路希望が決まるまでなんですって、
つまり決まらなければ、半永久的なの」
「ええー、半永久的?お母さんに抗議してくる」
「さっき、お兄さんが来てから、身ぎれいにして出かけたわ」
「およよ、じゃ、家にいるのはまいさんと僕だけ」
「うふふ、そうよ、あ・な・た」
「やめろよ、突然変えるな、お母さんもお母さん、自分んちで娘と狼を放し飼いにした
りして、平気なんだろうか」
「うふふ、お母さんね、お兄さんが大好きなの、まいに嫉妬するところをお兄さんに見
られたくないんだわ」
「まいさん、一言だけ悪態ついていい」
「ナニ、どうぞ」
「アホ」
「だって、本当のことなのよ、どうしてお兄さんは現実を直視しないの、人を好きにな
って何がいけないの、お母さんだって女なのよ、恋くらいしたっていいじゃない」
「僕は近々、結婚するんだよ、結婚後は既婚者になるんだよ」
「それがどうしたの」
「どうしたのって、ちょっ、ちょっと待て、まいさんと話すと、何もかも一緒くたにな
り、頭ん中が混乱する」
「きっと、お兄さん、頭の中が複雑骨折しているんだわ、だから、まいの気持ちもお母
さんの気持ちも、多分お姉さんの気持ちも、全然わからないのよ、まいのキス麻酔が必
要よ、目を閉じて、早く」
「・・・・」
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