めくるめく官能世界に程遠く 女子高生と初デート
美熟女の提案もあり、ご両親の許可を得て、女子高生を花火大会へ誘った。
彼女は元彼と来たことがあるというけれど、こちらは美熟女以外、大学入学以来の初デ
ート。
人、人、人、花火を見に来たのか、人間を見に来たのか分からない。
誘った側が誘われた側の後をくっ付いて歩く金魚のフン状態、情けなかった。
途中、人混みの中、はぐれそうになり、思わず彼女の手を握ったけれど、手汗ですっぽ
抜けた。
彼女が慌ててガーゼのハンカチで金魚のフンの掌を吹き、ガーゼを挟んで手と手を繋いだ。
賢い女の子「クスクス、あの話、本当だったんですね」
「・・・・」
二度としくじるまいと、途中買った祭り手拭いで繋いだ手をぐるぐる巻きにした。
まるで、私服の女性警官に捕まった犯人のよう。
人混みから少し離れた場所に座った。
「前に来たの、この辺です」
「へえー」
周りを見回すと、カップルばかりだった。
・・・・・・・・・・・・
女子高生の門限を気にしながら花火を観ることが、これほどせわしい気にさせるのかと
思った。
周りのカップル数組がキスの最中だった。
打ち上げの途中、「ご両親が心配するといけないから、そろそろ引き上げよう」
「・・・・私」
「ん?」
蚊の鳴くのような声で「お兄さんが好き」
「僕もまいさんは好きだよ」
女子高生はこれから起こるであろうことのために、顔を近付け、瞼を閉じて待っていた。
ここで彼女に恥をかかせればどうなるか、明々白々、選択肢は只一つ。
彼女は、首筋を這う荒れた唇が柔き唇に振れられただけで、上体がバラバラにされてし
まうほどの麻痺に見舞われ、唇が重ね合わされるに至っては、既に上体は自力で支えら
れず、男の胸に引き寄せられるまで、脱力して身体はふらふら揺れ、口元は力なく開か
されていた。
男の舌に押し入られ、ようやくキスされていることを近くに悟り、微力が戻って受け入
れた男の舌に舌を絡ませた。
彼女は未成年、男性不信を招くような無理強いは決してしまい、そう思い、長い時間を
かけてキスをした。
ブラウスの上から撫でる乳房の感触は予想外に柔らかく、かつ、大きくかった。
ここは広い公園の一角、他のカップルは他のカップル、私達は私達、公衆の面前で彼女
をこれ以上晒すことなど出来ない。
暫く、彼女の火照りが冷めるまで、抱いたまま時を過ごした。
「さっ、ご両親が待っている、帰ろう」
「はい」
さほど遠くない駅までの道のりを手を繋いで歩いた。
不思議と手汗は消えていた。
途中、彼女がピタリと止まって歩こうとしなくなった。
道の反対側にホテルがあった。
「まゆさん、帰ろ、あそこに入ったら最後、僕はまゆさんと会えなくなるよ」
それでも首を縦に振ろうとしない。
説得を諦め、彼女の肩を抱いたまま、道路枠の柵にもたれて彼女が翻意するのを待った。
何組かカップルがホテルに入っていくのをただぼーっと見ていた。
「痒い」彼女はそう叫んだ。
蚊だった。耳元にも蚊の飛ぶ音が聞こえた。
「ここイヤ、帰りましょ」
何だよ、説得はダメで、蚊ならいいのかよ、ふうー。
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