めくるめく官能世界に程遠く
美熟女に依れば、離婚調停が大詰めを迎えているとのこと。
「弁護士さんに依れば、あの人が不倫相手から訴えられそうで、離婚調停の抗弁を一部
取り下げたので、調停の成立が早まりそうなんですって」
「ご主人が不倫?まゆさんはそれを知っていたの?」
「ええ、でも、確証がなかったの、ですから調停理由は、お酒とDVなんです」
「へえ、不倫ねえ、ご主人モテたんだね」
「冗談言わないでくださる、飲酒後の力づくよ、多分そう、絶対そうに決まってるわ」
「ふーん、よく分からないけど、それでも不倫相手になる人がいるんだ」
「あなたはお酒を飲まないからわからないでしょうけれど、飲酒DVって、暴力を振る
った後、酔いが冷めると、人並み以上に優しくなるものなの」
「ふうん、二重人格みたいだ」
「いいえ、違うわ、ただの弱虫なだけよ、あー、もう嫌、あの人のことで振り回された
くない、もう沢山、あなただけを見ていたいわ」
「じゃあ、こっちを向いて、目を閉じないで」
美熟女と鼻先が触れるくらいまで顔を寄せた。
「ふふ、寄り目のまゆさん、かわいい」
「まっ、もうー」
鼻先を擦り合わせると、彼女は瞼を閉じ、顔を傾け、抱かれた腕に身を預け、重ねられ
た唇に応じるように彼女の口元は緩んだ。
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