シナリオ 官能小説

めくるめく官能世界に程遠く

「僕も言っていなかったことがあるよ」
「えっ」
「まゆさんを失いたくなかった、孕ませたかった、学業が途中になってもね」
「・・・・」
「でも、ピルを飲んでいることを知ってからは、思いを変えました、二人といないいい
女の貴女と、どうすれば添い遂げられるか、真剣に考えるようになった」
「そうだったんですね、ありがとう」
「話はまだ先があるから、よく聞いて欲しいのですが、もし、避妊が思うように行かな
くても、僕の子を生んで欲しい」
「でも、それって、あなたの将来が」
「むろん、多少の修正は必要になるだろうけれど、幸いに幾らか恵まれた環境下にある
し、それは大したことではないです。大事なのは、ふたりが望み喜んで生まれてくる
子だと知っておいて欲しいです」
「はい」
「それを子供に伝えられるのは女親のまゆさん、貴女しかいませんよ」
「じゃあ、男親のあなたは」
「家族内では、女親が中心、男親は女親の助っ人」
「それって、お母さまの」
「そうですよ」
「うちのお母さんがあなたを好きになる理由がようやくわかってきたわ、あなたって、
熟女をとろけさせるすごい人ね」
「はは、すぐ調子に乗るわるい癖があるので、やたらおだてないでもらえません？」
「うふ、ええ、わかっています、私の目の届くところにいてくださいね、あなたにその
気がなくても、危ない人だから」
「ギクッ」


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