めくるめく官能世界に程遠く
結局、父を説得出来ず、美熟女のご両親も、父親がどんな人物か知りたかったこともあ
り、折れて結納式を執り行った。
父も酒を一滴も飲まないから、話は通り一遍、まるでお通夜のようだった。
「ふうー、無事に終わって、ほっとしたよ」
「お父さまには何かとお心遣いいただいて、もう何てお礼してよいものやら」
「親父も筋は通せたのだから、よかったと思うよ」
「それでね、頂戴した結納金のことなんですけれども、両親はそっくりそのまま、私の
支度金として受け取ったことにするそうよ」
「そうなんだ、まあ、ご両親も考えあってのことでしょうし、いいんじゃないんですか」
「あなたが納得すれば、いいですけど、私、新婚生活に使わせてもらおうと思うの」
「うんうん、納得納得」
「ちゃんと考えてないでしょ」
「考えてますよ、家庭経営は社会経験豊富なまゆさんに任せると決めてるもの」
「一任されても困るんですけど」
「大丈夫、貴女ならきっとできる、僕が保証する」
「あっそっ、じゃあ、あなたのおこずかい、今日から無し」
「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ、なんでそうなるの、極端すぎだよ」
「そうでもしないと、目が覚めないでしょ」
「ZZZzzz」
「たぬき寝入りなんかしちゃって、まあ」
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