めくるめく官能世界に程遠く
科技サークルを覗いてみた。
工学祭の準備で慌ただしかった。
女子学生がいて、例年と違う雰囲気、既にりょうはOB扱いされ、頼もしくもあり、淋
しくもあり。
りょう顔を見るなり寄付箱を差し出し、笑みを浮かべて無言の要求、目ざといのなんの。
女子学生がいる手前、小銭チャリンというわけにもいかず、顔で笑って心で泣いて、
手持ちの万札4枚を入れた。
一瞬周りが沈黙、ん?多過ぎたかなと思は間もなく女子学生が「わー、ありがとうござ
います」の黄色い声にどうしていいか分からず、顔を赤くしてその場をすぐに立ち去った。
考えてみたら、学祭当日、まいも連れてくるから、またせびられてむしり取られるに決
まっている・・・なんてこった。
もう一つの目的場所、学食へ。
麺類担当のおばさん、食券も見ずにかけ蕎麦をよそり「うふ、4年間もよく食べ飽きな
いわね」
「はい、きれいなおばさんがよそるかけ蕎麦は特別旨いから」
「まあ、おばさんをからかうもんじゃないの、うふ、ご結婚おめでとうね、これは私か
らのお祝い」、生たまごを割って月見にしてくれた。
「おばさん、これはふたりからのお礼です」、近沢レースのフェイスタオルを渡した。
「えっ、おばさんに、いいの、ありがとう」、びっくりした笑顔がよかった。
奥のおばさんたち「あらあら、仲がよくていいわね、息子さん?」
「うふ、私の彼氏」
奥のおばさんたち「あはは」
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