めくるめく官能世界に程遠く
前戯、後戯の全身愛撫の甲斐あって、まゆみは早くオーガズムに達し、連続してイクこ
とも多いけれど、以前より身体の負担は遥かに軽く済み、元へ回復するのも早くなった。
全身愛撫はその分、常時いい匂いを発し続けるまゆみの裸体にりょうが触れている時間
も大幅に長くなり、りょうは、漂ういい匂いに夢の眠りへ誘引されて、時として2~3時間
気を遠くしていることもしばしば。
そのあいだ、先に覚醒したまゆみが何をしているか、りょうはまるで分からない。
りょうがもぞもぞ起き出し、眠気も覚めやらない目に朧げに見えたのは、誰かも分からな
い異様な顔をした人だった。
「あ・な・た」、その顔は確かにまゆみの声を模してそう言った。
目をこすりこすり見た、ゾンビだった。
「ぎゃあーー!!!!」りょう、飛び起き、
「だ、だれだ、おまえ、妖怪め、臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前!!!」
「あはは、私よ、私、あなた」
「うん??まゆさん?ナニその顔」
「うふふ、ハロウィンメイキャップをしてみたの」
「ああー、びっくりしたー、心臓バクバク、ふうー」
「どう、メイキャップ、1時間くらい掛かってしてみたの」
「どうって・・・、寝ているそばでするもんじゃないだろ、びっくりするな、もう」
「うふふ、あなたもしてみる、あなたなら、そうねえ、ねずみ男なんてどうかしら」
「3本ヒゲのねずみ男なんて嫌だ、ザルを被ったジェイソンがいい」
「あはは」
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