めくるめく官能世界に程遠く
「まゆさんは子供何人欲しい」
「ふたりはほしいわね、できれば男の子と女の子」
「ふうん、そうなんだ」
「あなたはどう」
「僕もふたりかな、ふたりとも母親思いの男の子」
「あら、あなたはてっきり女の子がいいと」
「女の子のほうが手が掛からないというけれど、心配が多そうだよ、まゆさんのご両親、
まさかまゆさんが再婚して、僕のような海のものとも山のものともつかない学生と結婚
するとは夢にも思わなかったろうし」
「うふ、当の私こそ、少女の頃に読んで夢見たラブロマンス小説を地で行くような、あ
なたみたいに現実離れした素敵なひとと結ばれるなんて、夢にも思わなかったわ」
「あはは、現実離れね、少数派には違いないけれど」
「そうよ、あなたと初めて結ばれたとき、これって夢かしら、一度眠ったら、あなたは
幻の彼方へ消えちゃうんじゃないかしらって、眠るのがとっても怖かったわ、本当よ、
妻になった今ても、未だに信じられないくらいなんですからね」
「はは、そうなら、よけい男の子がいいな、少女のこころを持ち続けている女性ともし
巡り逢えば、親子二代に亘って少女の夢を叶えさせ、日本女性の素晴らしさを証明する
ことができる」
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