めくるめく官能世界に程遠く
「神さま、ただいまー」
「えっ」
「間違えた、おカミさん、ただいまー」
「ふふ、おかえりなさい、おつかれさまでした」
「温泉で使うだろうと思ってタンポン買ってきた、スーパーでよかったよね」
「まあ、ありがとうございます、うふ、タンポンね、買い置きが少ないのでよかったわ」
「痔のとき使えるか、前に実際に何本か試してみたからかな」
「あー、それでなのね、少なくなってるの、あなたの旺盛な好奇心にびっくりだわ」
「挿入に潤滑オイルが必要かなと思ったけれど、けっこうすんなり入るものだね」
「使うならオイルじゃなくてローションでしょ」
「えっ、ローション、あるのそれ」
「ないわ、捨てちゃいました」
「もったいない」
「必要なら新しく買えばいいわ」
「ふうん」
「ねえ、それより、今日、鶏肉が安かったから、とり釜めしにしてみたの、お味どうか
しら」
「どれ、うーん、食欲をそそるいい香り、旨そう、ん?まゆさん、ご飯をかために炊い
た」
「ええ、おわかりになった」
「うん、普段、うちはよそよりご飯が柔らかめだから、すぐ分かるよ」
「かたすぎかしら」
「いや、米粒に芯がないからこれでいいと思いますよ、出汁も効いていて美味しい、
いつも思うけど、料理上手な奥さんもらうと男は幸せというのは本当だね」
「うふ、ありがとう、あなた」
※元投稿はこちら >>