めくるめく官能世界に程遠く
「ただいまー」
「おかえりなさい、おつかれさまでした、寒かったでしょう」
「そうでもなかったよ、まゆさんと同じ8分袖のレディースインナー着ているから」
「あー、それね、私もよ、安かったから買ってみたの、薄くても暖かいですものね、着
ぶくれしないし、のびのび素材で体にフィットするでしょ、妊娠しても楽そうだわ」
「ふうん、そうなんだね、気が付かなかった、とうとう砂時計もひょっこりひょうたん
島か」
「なんですのそれ」
「ボン・キュ・ボンのまゆさんが砂時計、妊産婦のまゆさんがひょっこりひょうたん島」
「うふ、そうなのね」
「ところで妊娠検査薬って、使ってみた?」
「生理予定日から一週間後からですって」
「ふうん、すぐには分からないんだ、ということは、分かったときは既に妊娠してから
何日か経っている」
「ええ、妊娠検査薬で陽性に出たら妊娠4週目らしいわ」
「えっ、そんなに経っているの」
「うふ、あなた知りたいんでしょう、危険日かどうか、あなたのことだから頭の中で逆
算してそう」
「でも、肝心の前回の生理最終日をまゆさんが教えてくれないから計算のしようがない」
「うふ、やっぱりね、ダメよ、面倒くさいからって、前以って知って、手を抜いて怠け
ようなんて、あなたの場合は、毎日が危険日のつもりで丁度いいの」
「あー、まいはいつかなあー」
「なになに、まいさんがどうしたの、いつかな、って、どういう意味」
「別に」
「あなた、ちょっとここにお座りになって」
ほら来た、まゆみを焦らせると、まるで齢を忘れた少女のよう・・・可愛い女。
「いつかな、って、どういうこと、何かあったのね、正直におっしゃって」
「修学旅行だってさ」
「?・・・・」
「どうしたの」
「・・・・いじわる」
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