めくるめく官能世界に程遠く 女性を尊敬しますです、はい
何の気なしに化粧台の前に座った。
なんだかよく分からない化粧品が並んでいる。
どれから使うんだ、これ。
口紅が目に止まり、美熟女の仕草を真似てみた。
彼女の匂いで薄く紅を引き、上下の唇を「んーま、んーま」
「ぷぷぷぷ」
ドッキリ、美熟女が口を押えて吹出し笑いをこらえていた。
「あ、いたの、いつからそこに」
「うふふ、あー、面白かった、ずっとよ、うふ」
「いるなら、いると、音ぐらいたてれば」
「お化粧の仕方、教えてあげますからね」
「いいよもう」
「ダメよ、はい、ちゃんと座って」
「・・・・」
「こんなものかしらね、うん、出来たわ、どう」
「鏡の中の自分に惚れそう」
「うふふ」
「けっこう面倒くさいんだね」
「そうよ、やっとわかった?」
「女性を尊敬しますです、はい」
「わかればよろしい、うん」
「どこかで聞いたような」
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