めくるめく官能世界に程遠く
まゆみが会社で配属転換になった後、かつて20代独身だったまゆみと男女関係の深かっ
た上司が窓際族に追いやられていた。
既婚にもかかわらず結婚を餌に数年に亘り情交を重ね、まゆみの身体を性欲処理に使い、
好みの女にさせる調教までしていたけれども、不毛な恋の盲目から抜け出すべく、まゆ
みが執拗に奥さんと別れるよう迫った結果、上司はまゆみに嫌気がさして、まゆみの初
婚相手となった元夫に引き取らせた張本人でもあった。
元夫はまゆみと上司の関係を知りつつ結婚したにもかかわらず、まゆみを押し付けた上
司への鬱積した不満の一切合切を含め、何かにつけてまゆみを責め立て、不安定なまゆ
みの情緒を更に悪化させ、悪いのは自分と自責に駆り立てた。
離婚調停が長引いたのも一つには、まゆみが自己を肯定できずにいた面もあった。
まゆみの前に「究極の自己中」を標榜するりょうが現れて事態は一変した。
まゆみも自己を認識して輝ける女性へと変貌を遂げつつある。
(「究極の自己中」(自分は自分)を貫くことの難しさを考えもしない者は、世間で俗
にいう中途半端な「自己中心主義」、いわゆる只の「自己中」に安住の地を求め、他人
全面依存(自己無価値)と同様、やがては身を滅ぼす)
上司を窓際に追いやったのは誰だろう、誰が影響を及ぼしたのだろう・・・・
媒酌人だろうか、亡き母だろうか、まゆみを愛したりょうがいたからだろうか、それと
も、りょう初恋にして今もりょうの胸の中で瞳をキラキラ輝かせている同年少女(同年
女性)がいるからだろうか・・・・
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