めくるめく官能世界に程遠く
結婚式について、まゆみから新たな提案があった。
「結婚式でお母さまに出席して頂きたいの」
「出席?故人を?」
「私達の結婚は、結婚ともう一つの意味があると思うの、「女の城」をお母さまから私
が正式に跡目を継ぐことよ」
「で?どうするの、遺影を席に置くの」
「そうではないわ、式の初めから終わりまで、お母さまの席を設けて空席にしておくの、
宴席でも一時的に現世に舞い戻って頂いて、居るものとして扱い、膳を盛り付けて祝福
して頂くの、ね、どうでしょう」
「・・・・」
「お母さまは、今でも私達を陰になり日向になり、大きな影響を与えてくださっている
わ、多分これからもね、至らない私達にとって、お母さまは重要な鍵となる女性よ、お
母さまがいなければ、あなたも私に振り向いてはくださらなかったですものね、そうで
しょ」
りょうは、まゆみから矢継ぎ早に告げられ、仕舞い込みつつあった母への泣きたいほど
の思いを、まゆみを強く抱きしめることで発露した。
まゆみのオーラはもの凄く、りょうがまゆみの輝く体の一部になったあとも、りょうの
静かな全身愛撫は続けられ、まゆみを夢まぼろしの世界へいざなった。
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