シナリオ 官能小説

めくるめく官能世界に程遠く　マイナスからの出発

「父に婚約を報告したよ」
「お父さまは、何ておっしゃってらしたの」
「先ず、先方のご両親の了解を取り付けるよう、開口一番言われたよ」
「私がバツイチなのもお伝えしたの」
「しましたよ、伴侶選びはふたりの自由、後悔だけはしないように、と念を押された、
それとね、新婚生活までの一切合切を、親父から借りることにしたから」
「えー、お父さまにご負担をお掛けするのはよくないわ」
「親父からの申し出を断る理由もないでしょう」
「それはそうですけど」
「事は既に動いている、ゼロからでなく、もっと最悪なマイナスからの出発さ、ふたり
が心して掛からないと難破して粉々砕け散ってしまう」
「そうよね、頑張らなくっちゃ、お父さまやお母さま達に申し訳ありませんものね」
「そうそう、それでこそ女船長さん、今のご心境を一言」
「えー、何て言えばいいの」
「あなた、ついてらっしゃい、ついてこないと、ただじゃおかないから、だよ」
「あはは」


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