シナリオ 官能小説

めくるめく官能世界に程遠く　

洗濯機のドラムを浮き出しにして下部にライトを当ててみた。洗剤と柔軟剤がドラムに
こびり付き、糸屑、紙屑、髪の毛、うずらの卵のようなプラスティックの欠片と共に排
水口を塞いでいた他、ピン止め、ボタン、紐パンまであった。
洗浄後元に戻し、テスト、OK。
「洗濯機、直りましたよ」
「ありがとう、まあ、よく流れるわ」
「ふふ、流れないほうがおかしいよ」
「いろんなものが詰まったのね」
「洗剤と柔軟剤が小さいものをくっ付けていたんだろうね」
「へえー」
「まゆさん、このうずらの卵のようなプラスティックの欠片は何だろう」
まゆみの目が泳いだ。
「えっ、あー、何かしらね、直ったし捨てちゃいましょ」
他のものには目もくれず、急いで小袋に入れてポイ。
「紐パンもあったよ」
またもまゆみの目が泳ぎ、急いで小袋に入れてポイ。
りょうは予断を持って微笑んだ。



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