めくるめく官能世界に程遠く
まゆが見つけてくれた駐車場2か所まで実際に歩いてみた。
一つは裏通りに面した商店跡地、道路幅が狭い上に、ママチャリ軍団の抜け道にもなっ
ていて非常に危険、目的地にたどり着く前に断念。
二つ目は、大型スーパー進出と共に町全体が変貌し、そのスーパーが撤退して町の機能
が破壊されてしまった地域の一角にある空き地で、人通りも少なく、一方通行とはいえ、
道路幅も6mある。
自転車が必要なのが難点だけれど、それをいえばキリがないので、借りることにした。
「使い勝手は良さそうですよ」
「そう、よかったわ、先方さんもね、当座、固定資産税を払うのに、少しでも収入にな
ればとおっしゃっているし、助かるわ」
「野外の野天だから、そう長くは置いてはおけないけどね」
「何故ですの、先方さんは数年そのままでいるつもりのようよ」
「風雨や暑さ寒さを凌いで車をもたせるには、やはり車庫でないとね、シートでは車が
持ちませんよ、錆が浮いてボロボロになる、40年以上も前の車だから尚更ですよ」
「そうですのね」
「まいさんも、臨時の仮置き場のつもりでいてください」
「わかりました」
※元投稿はこちら >>