めくるめく官能世界に程遠く
「まゆさん、髪型変えた?」
「もう1週間も前よ、今頃になって、あなたの鈍感さに、私、悲しいわ」
「ごめん、って、まゆさんも僕の髪、何か気が付かない」
「えー、見慣れてるから、別にどこも、少し長くなったかしら」
「鏡を見て」
りょうはまゆに、ふたりの髪を鏡に映して見せた。
「あらーん、あなたの髪型、前の私の髪型に似ているわね」
「美容室のおばさんに写真をみせてやってもらったら、長さが足りないけど、しばらく
すれば近くなるって」
「ええー、私が私に抱かれちゃうわけ、やだあー、そんなのうー」
「まゆさんは髪型を変えたんだから、別にいいでしょう」
「お友達があなたを見たら、きっと何か言うわ、普段はとてもいい方達なのにね、アル
コールが入るとね、旦那さまをいじられたくなくて、頭のてっぺんから足のつま先まで、
妻の特権で先にいじっちゃう悪女とかなんとか」
「はは、あー、くだらない」
「えーと、ハサミは、っと・・・」
「どうするの」
「もっと短くするの、あなたの髪の毛」
「やだあー、そんなのうー」
「私みたいな声を出さないで」
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