めくるめく官能世界に程遠く
時を戻してホテルルーム。
「まいさん・・・・」
「ごめんなさい、でも、こうでもしないと、キスもしてくれないんですもの」
「だからそれは、まいさんのためを」
「キスして」
彼女は目を開けたまま、唇を近づければ閉じるだろうと思いきや、薄目を開けてキス。
ディープキスになってもりょうを見つめていた。やり難いことこの上なかった。
りょうは敢えてまいに目を瞑るように言わなかった。
舌を絡ませ吸い合うようになってから、まいは目を静かに閉じて、何ごとかもらした。
聞きようによっては「思って」とも「奪って」とも・・・・
10分以上ディープ。
まいは脱いだ服を椅子に掛け、バスルームへ。
洗面化粧台に脱いだ下着を置き、シャワーを浴びて、浴槽に身を沈めた。
りょうも続いた。
まいは浴槽から身を乗り出し、頬杖をついて、りょうの下着姿を興味深く眺めていた。
まいの目にはどう映ったろう、変態以外映りようがないけど。
ふたりの間では既に「暗黙の笑み」の対象になりつつあった。
りょうは手早く下着を脱ごうとしてバランスを崩し、顔面から浴槽へドボン、ケツ丸出し。
「キャッ」小さな悲鳴が聞こえた。
まいが浴槽で立ち上がり、りょうの腕を持って溺れないように引っ張り上げようと必死
だった。
浴槽はりょうの体にまいが背を向けて脚を伸ばせば何とか入れれる広さだった。
りょうは、まいのお腹に両腕を当て、肩から首にかけて唇を這わせた。
まいは、りょうの腕に両手をやり、くすぐったそうに頭を傾げて肩をすくめた。
「また助けられてしまったね」
「うふ」
裸のままベッドへ潜り込んだ。
いたずら好きなまいだけど、まいの意思にすべて任せる、まいを信じる。
負ければ、まいも自分もこの先はない、これはイチかバチかの賭けだ。
生まれたままの姿で抱き合った。
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