その21
京子「そやな…もうそんな時間か」
と京子が寂しそうな顔をしましたがすぐに、
京子「また来よか!来週はユニバ行く?」
と笑いながら言いました。
私「帰ったら勉強やで。息抜きに来てるんやで」
京子「判ってますやん。そしたら、月イチで遊びに行こ」
私「お前、前の彼氏はもう吹っ切れたん?」
京子「痛いとこ突いてくるな。吹っ切れてないよ」
私「そうか」
京子「でもな、吹っ切れそうな気配はあるで」
私「お役に立てて光栄ですわ」
京子「圭太ママのおかげやで。自惚れんなよ」
と、お腹にパンチしてきました。
更衣室から出ると、空が真っ暗になり、どんよりした曇が一面を覆っていて、バスに乗った瞬間に大粒の雨が降り出しました。
私「すごい雨やな。バス、大丈夫か?」
京子「濡れんかったしラッキーやん。うちの普段の行いのおかげやから、お礼言うてや」
私「京子、ありがとうな」
京子「おっ?どないしたん?素直やな」
私「この2週間で昔に戻れたように感じたし、また京子といっぱい話したいなて思ったわ。ほんまに楽しかった。今日、来れて良かったわ」
京子「……圭太ヤバい。泣きそうや」
私「ええ!なんで?ここで泣いたらめっちゃ恥ずかしいで」
京子「いや、もう我慢できん。黒い涙流すけど笑うなよ」
私「笑うに決まってるやん(笑)」
京子は、顔を伏せ静かに泣いていた。私はタオルを出し、京子の頭から被せると、京子は私にもたれかかって泣いていました。
バスが駅に着くまで、京子はタオルを被ったままでしたがバスを降りる時には、顔を上げ
た京子が、
京子「目がパンダになってへん?大丈夫?」
と化粧を気する、いつもの京子に戻っていました。
バスから降りると、ターミナル駅の構内が人で溢れかえっていて、何かあったのかと不安になりました。 つづく
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