その16
夜8時になると、京子の父親と母親が家にやって来た。
京子の母親には、事前に私の母が説明していたが、父親は何の話かも判らずに来ているようだった。
母「京子ちゃんの学校での噂の事やねんけど」
京子父「また何かあったん?あいつ」
京子母「またって、お父さん」
京子父「圭ちゃん、前の事件は知ってるんか?」
母「事件て…圭太には話してあるよ。」
私「今、学校で前の彼氏との写真が出回ってて、彼氏の顔がオレの顔に加工されてるんよ。で、オレが京子を妊娠させたって噂になってるみたい」
京子父「その写真て、今ある?」
私「これやで」
と写真を見せると
京子父「これ、ほんまに圭ちゃんやな!て、加工してるから圭ちゃんと違うんか」
私「そやねん、ちゃうねん。オレ、こんな服は持ってないから」
母「それで今日話したいのは、ただのデマやし京子ちゃんは、ただの被害者やからねって確認ですわ」
京子母「そうゆう事やから、京子を怒ったらあかんで、お父さん」
京子父「あいつも隙があるから、こんなん出回るんやで。圭ちゃんまで巻き込んで」
私「おっちゃん、ちゃうねん。オレへの恨みとか悪戯かも知れんし、京子が巻き込まれたかも知れんから。だから、オレが京子に謝らなあかんかもやねん」
京子父「そうか…わかった。知らせてくれて、ありがとうな。圭ちゃん、しっかりしてきたな~」
私「で、今言うのも何やけど、今度、京子とレジャープールに行くんやけど、かまわん?ちょっと遠いから、帰りが遅なるかもやけど」
母「あんた、このタイミングで言うか」
京子父「圭ちゃんやったら、安心して任せられるし、行っといで」
私「ありがとう。良かったわ」
京子母「そしたら、お父さん、おいとましましょか」
京子の父親と母親が帰って行った玄関で母が私に言いました。
母「あんた、なかなかええ男になってきたな。お父さんに、よう似てるわ」
私「そうなん?昔、似た出来事があったん?」
母「いや、全く無いけど」
私「オカン…何を言うてんの?」
母「母は嬉しいんよ。周りの事も考えられる子に育ったから。私の子育てのおかげかな」
私「オトンに似てるて言うたやん」
母「そんなん言うた?」 つづく
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