その14
私「今日、小松さんに会ってきてんけど、お前、オレに彼女居てるとか言うたん?」
京子「言うた」
私「何で嘘言うねん」
京子「すまん」
私「何でなん?訳を言えよ」
京子「うち、圭太の事が好きやってん。だから、取られたくなかってん」
私「え?」
京子「うちの事、嫌い?」
私「…」
京子「そんな訳あるか!バカよね~ん」
私「お前カスやな」
京子「覗き野郎に言われたないし」
私「おやすみなさい、一生寝て」
京子「おやすみなさいダーリン」
ただの揶揄いのようだったので、明日小松さんに訂正しておこうと思っていると、京子から電話がかかってきた。
京子「あのさ、私のクラスに清水知恵って居てるやん?中学の時に圭太も一緒のクラスやった子。あの子が、圭太のファンやねん。だから、友達として清水推しをしてしまったのよ。ごめんよ。ちなみに、私のクラスに圭太ファンがあと1人居てて、そっちが本命かもやけどな」
私「オレ、清水に興味無いし、他の人も誰か知らんけど興味ないから。オレの事は、ほっといて」
と言い電話を切った。
なぜか無性にイライラする自分がいて、その日はあまり眠れなかった。
翌日、学校に行き昼休みになると、山下から良くない噂を聞いた。
山下「お前、林と付き合ってて妊娠させたって噂が流れてるけどマジなん?」
山下の話し方がいつもより真面目でした。
私「いや、全く知らん。てか、3年ぶりに京子と話したんが先週やからな」
山下「4m先に住む幼馴染とやから、記録的な音信不通やな」
私「誰が噂を流してるんやろな」
山下「とりあえず安心したわ。お前が童貞やから」
私「そこ!?安心て、そこ!?」
山下「どこから出た噂か、オレの友達にも聞いてみたるわ」
私「お前の友達、オレ入れて2~3人やろ?」
山下「あほか!SNSで繋がる人は皆友達やん!今、ジャマイカにも友達居てるで」
私「よし!君に任せた」
放課後、山下がSNSで情報を集めまくってくれると、京子と思われる人物が写ったツイッターを見つけた。
山下「これ、林っぽくない?一緒に写ってるん、お前やろ?」
私「オレっぽいけど、服がちゃうな。こんな服持ってないから」
山下「この写真、合成かな。最近、アプリですぐ出来るしな」
私「とりあえず、京子に聞いてみるわ」
山下「オレも京子って呼んでええかな?」
私「……ええんちゃう?本人に聞けよ」
山下「本人に聞いたら怖いやん」
私「ほな、いつ呼ぶねん」
山下「お前の前だけやん!」
私「意味分からん」
この日、予備校の無かった私は帰宅途中に京子と待ち合わせて、写真を見せた。 つづく
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