お盆休みが明け8月の最終週。俺は仕事で急遽二泊三日で出張する事になった。現地でのトラブルだった。その事を優梛に伝えた。優梛は「寂しいけど…お仕事じゃ仕方ないよね…」と言った。「ゴメンな…なるべく早く帰れる様に頑張るけど…1人で大丈夫か?…お隣のおばちゃんに頼む?」と聞くと優梛は「パパ1人でも大丈夫だよ…もうそんなに子供扱いしないでっ」と言った。「そっか…じゃあ念のため火は使うなよ?御飯はスーパーかコンビニで買う事…知らない人が来ても玄関は開けない事…もし変な人が家の中に入って来そうだったら、ご近所さんの家に逃げる事…いいね?」と言うと「うん分かった」と優梛は言った。そして俺は「これはパパの携帯番号だから、何かあったらここに懸けるんだよ?」と言って、紐を付けたパスケースを優梛の首に懸けた。優梛は「お守りだねっ」と言った。次の日の朝、俺は優梛に5千円を二枚を入れた財布を渡し、新幹線で出張先へと出掛けて行った。優梛の初めてのお留守番だった。
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