紗英に近付こうとした聖二を遮った。「おっ!?邪魔すんなよ?」「邪魔はテメェだっ」「どけよっ!またボコられてぇのか?あ?」と凄んだ。しかし俺には昔の様な恐怖感はなかった。大学のサークルで護身術を習っていたからだ。「やってみろよっ」と言うと、聖二は「あっ!?ガキがかっこつけてんじゃねぇぞ?」と言って胸倉を掴んできた。俺は咄嗟に聖二が掴む右手の親指を、左手で掴み逆方向へと捻った。そしてすぐに右手で手首を掴むと、背中へと捻り上げ腕を決めた。自分でも驚く程の早技だった。「痛ぇっ!離せテメェっ」と聖二は言った。「いつまでもガキと思ってナメてんじゃねぇぞ?」と言って腕を締め上げ「お前位の奴ならもう簡単に倒せるからな?…分かったか?」と言うと「分かった…俺が…悪かったから…離してくれっ」と言った。腕を放すと懲りずに「テメェ…」と言って今度は殴り罹ろうとし。俺は聖二より早く反応して、隙だらけの股間を軽く蹴った。「うがっ!?」と聖二は唸ってその場にうずくまった。「あん時と違うつったろ?」と俺は見下ろして言った。
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