いつの間にか縁側で紗英と親父さんが見ていた。「あっ!?おはようございます」「おはようキャッチボールかい?」「はい…いいボール投げてきますよ」「どうかな?利彦は?」「いいですね…」「そうか…久しぶりにやってみるか?代わってくれないか?」「大丈夫ですか?」「これでも昔少しやっていたんだ」と言うと親父さんと交代した。「投げてきなさい」利彦は投げた。数回投げる交わすと「うん…重くて体重の乗ったいいボールだ」と親父さんが褒めると利彦は嬉しそうだった。俺は(利彦君…親父さんとやりたかったんだな)と思った。暫く見ていると親父さんが「匠君…代わってくれ…手が痺れた」と言って「これほどいいボール投げるとは思わなかった」と言って代わった。すると利彦が「師匠はもうやらないんですか?」と言った。(師匠?)と思ったが言わなかった。「僕はもう出来ないんだ…」「何故?」「試合中に無理をしちゃって…肩壊しちゃったんだ」「そうなんですか?」「肩もこれ以上上がらない」と言うと「大変でしたね」と言った。(この子は素直で優しい子だな)と思った。
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